

チーズ転がし祭りは、英国コッツウォルズのクーパーズヒルで毎年開催される行事。1800年代から続く地元の伝統的な祭りだが、現在では世界的にも有名な行事となっている。日本では、2007年にタレントの宮川大輔さんが参加したことで、知名度が上がったと言われている。

チーズ転がし祭りのルールは、丸い「ダブルグロスターチーズ」を急な坂の上から転がし、これを参加者が追いかけるというもの。坂の下にあるゴールラインを最初に超えた参加者が優勝となる。本来はチーズを捕えるのが目的だったが、時速100キロを超えることもあるチーズを捕えるのは現実的には困難で、現在のルールとなった。


さて、今回のチーズ転がし祭りは、その歴史上初めて、本物のチーズではなく、プラスティック製の"フェイク"チーズを利用したことで話題となっている。
チーズ転がし祭りに1986年からずっとチーズを提供していたのは、86歳の女性 Diana Smart 氏。だが今年 Smart 氏は警察から、もしあなたのチーズによって怪我人がでた場合、あなたはその責任を問われますと、警告を受けたという。Smart 氏によれば、それは「脅迫」に近かったそうだ。

このため、Smart 氏は今年はチーズの提供を断念。祭りの主催者も本物のチーズの使用を諦めて、フェイクを使うことを決めたという。
チーズ転がし祭りは、毎年、怪我人がでることで知られている。この祭りは参加が無料ということもあり、保険などはかけられていない。このため、怪我をした場合、その治療費を誰が支払うのかが問題になることはあったという。


今年の祭りでも1名が足を骨折した。だが、優勝した Kenny Rackers 氏、Lucy Townsend 氏を含め、その他の参加者には大きな怪我はなかったそうだ。
祭りの主催者は今回の件を、200年続く祭りに対する侮辱であると述べている。
チーズ転がし祭り2013