池袋北口周辺は、変わりゆく東京を象徴するエキゾチックな区域。林立するビルの1つにあるパキスタン食材店「AL-FLAH SUPER MARKET(アルファラスーパーマーケット)」は南アジアのスパイスからお菓子、お茶までそろう。
細長いビルの4階にあるお店
池袋北口周辺。ピンクの看板にまじって中国の地方料理を出す飲食店が並び、道を歩けば日本語以外の言葉もよく聞こえ、夜ともなれば客引きがほろ酔いの通行人に声をかける。
アルファラスーパーマーケットがあるのも繁華街だが、昼のあいだはやや静か。外目にはほとんどようすが分からない、細長い「大野屋ビル」の4階に上がると、こつぜんと店があらわれる。
ちなみに運営会社は30年ほど前から「ハラール食材」の輸入を手掛けているとのこと。
中に入ると、パキスタンを中心に南アジアや西アジアの食材がずらりと並んでいる。スパイスの棚を見ると、カレーに定番のクミンにコリアンダー、お菓子や南アジアの濃いミルクティー「チャイ」に入れるシナモン、そのほか用途がすぐにはぴんと来ないものまで。100gから1kgまでサイズの異なる袋があり、まとめ買いすればお得そうだが、はたして家庭で使い切れるのだろうか。
レトルトのパキスタンカレーも売っている。ちょっとしたレストランが開けそうな種類がある。ほかには南アジアで人気のカップヌードルに、各種調味料。日本産の「ハラル醤油」なんてものもある。
お茶も風変わりなフレーバーがある。ジャスミンやアップルは分かるが、カルダモンとは面白い。お菓子を見ると、「ハルワ」に「ソーパークッキー」と知らない名前。「グラブジャムン」は覚えがある。インドをはじめ南アジアで食べる「世界一甘いお菓子」だ。
page けっきょく買ったのはお茶とお菓子
カルダモングリーンティー
思案のすえ、「カルダモングリーンティーバッグ」を購入。250円(税別、以下同じ)。ティーバッグなので簡単に淹れられる。カップにお湯をそそいで2分待てばできあがり。
カルダモンはちょっとレモンを連想させる匂い。紙の封を切った時点でかなり香る。一口すするとミルクの入っていないチャイのよう。すっきりしているがお茶の苦みやしぶみはちゃんとある。
アイスティーにしてみると、冷やしてもカルダモンの香りは消えず、すっきり飲める。でもやっぱりホットの方がおすすめかもしれない。
ハビシ ハルバ
もう1つ買ったのはハビシ ハルバ。190円だった。キャラメルで固めた小麦やナッツ。伝統菓子だそうだが、容赦なく甘い。パキスタン版ヌガーというおもむき。
アーモンドとピスタチオが入っているというのだが、とにかく甘くて意識が遠のきそうになり、急ぎカルダモングリーンティーを飲んで我に返る。
グラブジャムンほどでないにせよ、南アジアのスイーツは食べるのに覚悟がいる。小分けの袋入りだが、1人で一度に1袋まるごといけるかどうかは、人による。ちなみに記者は大丈夫だった。だんだん甘さが楽しくなり、ひとりでくすくす笑いそうになった。
かように、アルファラスーパーマーケットには色々な思いもかけぬ出会いがある。新しい世界を見たければ、お昼時を狙ってちょっと足を伸ばしてみるのは悪くない。なお金曜の13時~14時半は礼拝のためお店は休憩になっているのでご注意を。