
(写真はイメージ)
さらに同メディアによると、今年の感謝デーにはケーキとコーヒーを配る代わりに、ある特殊な ATM「Automated Thanking Machines」を使って、お客へ感謝の気持ちをプレゼントしたそうだ。
その様子が撮影された YouTube 動画が公開され、現在500万回以上も再生され感動を呼んでいるのでご紹介したい。
TD Canada--ただ「ありがとう」を伝えたい
Automated Thanking Machines(=ATM)とは、7月25日の感謝デーにお客に感謝の気持ちとプレゼントを渡すため、トロントをはじめ4都市の支店に設置されたマシン。
お客が近づくと、ATM マシンが突然「ハロー!」と話しかけてくる。そして「プレゼントがあるんだ」と、取り出し口からその人への“特別な品”を差し出すのだ。

プレゼントの内容は、花束だったり子どもへのお小遣いだったりと、心温まるものばかり。受け取った人たちははじめは驚きを隠せない様子だが、すぐに顔をほころばせて喜びをあらわにする。

マイケルさんへのプレゼントは、自身の名前が入ったブルージェイズの T シャツとキャップに加え、同チームの選手が彼に会いに来るというサプライズ。さらには、ブルージェイズの試合でピッチングをするという幸せすぎるチャンスまで与えられた。


(右手前の男性が選手)

クリスティーンさんへのプレゼントは、子どものための養育費1,000ドルに加え、カリフォルニアへのディズニーランド旅行。彼女はこれまで1度も子どもたちをディズニーランドへ連れて行ってあげることができなかったと、堪えきれずに涙をこぼす。

ATM「本当だよ。君は子どもたちを連れてディズニーランドへ行くんだ」

ドロシーさんへのプレゼントは、トリニダードで手術を受けたばかりの娘に会いに行くための航空券。ATM からはチケットと合わせて「あなたは素晴らしい母親です」というメッセージカードも差し出された。あまりの出来事に驚き「本当に…?」と言葉を飲むドロシーさんに、ATM はやさしく「本当だよ。君は娘さんに会いにトリニダードへ行くんだ」と答える。

ドロシーさん「はい」


ATM「いいえ。ありがとう、ドロシー」
その人のことを思いながらプレゼントを用意する行員たちの姿を想像すると、よけいに胸が熱くなる。何ともハートウォーミングで、ココロに栄養が染みわたる動画だ。
「ユニークで特別な方法で、お客様に感謝の気持ちを伝えたかった」と話すのは、同行の役員 Chris Stamper 氏。行員たちは長年に渡りお客と多くの言葉を交わす中で、その人たちの嗜好や生活環境を知ることができるのだとか。
もちろん「銀行員と顧客」という立場の違いはあるものの、そこには利害を超えた信頼関係が築き上げられているのではないか、そんなことさえ思わせてくれる。日本でも最近は“おもてなし”という言葉がひとり歩きしているような気がするが、このような信頼関係こそが、本当のホスピタリティといえるのではないかと筆者は思う。