ファストフード店にまつわる「うわさ」や「都市伝説」は非常に多く存在している。それら「都市伝説」には、根拠があるのだろうか?また、どのような理由で都市伝説は生まれたのだろうか?

米国版ファストフードの都市伝説について、米国メディア Business Insider が検証を実施している。ここでは、その一部を紹介したい。


◆ ケンタッキーフライドチキンには、本当はチキンは使われていない

ケンタッキーフライドチキンは1991年、その社名を KFC に変更した。この社名変更は様々な憶測を呼んだが、その中に「ケンタッキーが使用しているチキンは、すでにチキンと呼べるものではない。このため、社名を KFC に変更した」というものがあった。KFC がフライドチキンにしているチキンには、くちばしも、足も、羽も無いというのだ。


もちろん、このうわさはうそ。社名変更は、名前を短縮することで、若年層へのアピールを狙ったものだった。

◆ マクドナルドのハンバーガーのひき肉には、牛のあらゆる部位が含まれている

これは、マクドナルドのハンバーガーが「100%ビーフ」を使用していると謳っていることから来た都市伝説。100%ビーフというからには、内蔵や蹄、耳なども含め、すべてが入っているのだろうと考えた人がいたらしい。

このうわさもうそ。マクドナルドのハンバーガーには、肩、肩ロース、リブロースなど、一般的な部位の肉しか使われていない。

◆ ペットボトルの水を飲むとガンになる

このうわさはここ10年くらい、チェーンメールで流れ続けているもの。ペットボトルに入った水を飲むと、ペットボトルから水に溶け出た「DEHA」という化学物質により、ガンになるというものだ。


チェーンメールによれば、夏場などにペットボトルを高温の車内に放置すると、熱で DEHA が水に溶けだし、ガンになる可能性が高まるという。

だがこのうわさは、うそ。DEHA はペットボトルには含まれていない。また、国際がん研究機関によれば、DEHA に発がん性は認められていないという。

◆ マクドナルドのハンバーガーは腐らない

この件については、カナダ グエルフ大学の Keith Warriner 博士が次のように説明している。

「マクドナルドのハンバーガーは化学薬品浸けになっているため、腐らないと言われている。実際には、マクドナルドのハンバーガー、フライドポテト、それにチキンは、一定の条件下では、他の食品同様に腐敗する。

腐敗の原因となる微生物には、水分、栄養素、適切な温度、繁殖のための時間が必要とされる。もし、これらの要素の1つまはた2つを取り去ってしまえば、微生物は繁殖できず、食べ物を腐敗させることもできなくなる。

マクドナルドのハンバーガーの例では、パティは調理の過程で水分を失っていた。バンズは言うまでもなく、もとはパンだ。だがトーストされたことで、水気を無くした。つまり、調理の間に、ハンバーガーはかなり乾燥した状態になっていたわけだ。≪中略≫ 水分がなかったために、ハンバーガーは腐るのではなく、干からびたのだ」

◆ ウェンディーズのチリからは、切断された指が見つかった

2005年、Anna Ayala 氏という女性が、カリフォルニア州サンノゼのウェンディーズで注文したチリの中に、指が入っているのを発見するという事件が発生した。


だが、この事件は後に、Ayala 氏による狂言であったことが判明。Ayala 氏は逮捕された。Ayala 氏は、賠償金目的で、チリに指を入れたそうだ。従って、このうわさもうそだ。