東京・目黒にある「巧匠」は500円でランチが食べられる台湾料理のお店。台湾小吃(シャオチー)を掲げたお店だ。
立地は目黒駅から目黒通りを白金台方面へ進んだ、庭園美術館前の上大崎交差点。住宅街とオフィス街が境を接する場所だが、平日のランチタイムは会社員のお客がとても多い。点心も人気だが、目を引くのはワンコインランチ。500円(税込、以下同じ)で食べられる「三絲蛋飯」と「紅焼ケイ飯」の2種類。
今回は紅焼ケイ飯を頼んでみた。鶏肉と根菜の醤油煮込みをとろみのある餡(あん)にからめてご飯の横にかけた一皿料理。セットで薬膳スープがついている。
薬膳スープの塩気は控えめ。ただしよくダシが出ていてコクがある。ひとさじごとに腹にしみわたる味。季節の変わり目で体力が落ちているときにはありがたく、気持ちも和らぐ。クコの実などがいろどりになっていて目にも楽しい。
初めはスプーンで味わっていても、途中からカップの柄を持って直接飲んでしまう。お腹がちょっと落ち着いたところで、ご飯の方にとりかかる。
紅焼ケイ飯は、あんかけご飯。お米もあんもボリュームはたっぷりだ。鶏もも肉、ダイコン、ニンジンがいずれもごろごろ入っている。スプーンでとりやすいひとくちサイズ。口に入れてみると、形はしっかりしているのに、肉も野菜もすぐに舌の上で崩れるぐらいにやわらかい。
かすかに八角の風味がするが、香辛料の使い方はとてもおさえめで、肉や野菜のうまみをうまく出していて、和食にも似たところがある。シンプルな構成だが、500円でこれなら大満足だ。
page でもやっぱり台湾点心も気になる!
とはいえ、お店で押している台湾点心も気にかかる。別の日にもあらためて来店し、今度は900円の点心セットを頼んでみた。
出てきたのは点心3個にミニチャーハン、カモ肉の冷菜、サラダ、そして薬膳スープ。忘れてはいけない杏仁豆腐も。
点心3個はそれぞれ異なるエビ入りのもの、タケノコ入りのもの、食感も香りも別々で、せいろからとって食べるたびに次はどんな味がするのか楽しみになる。
お次はカモの冷菜。さっぱりした塩味だが、舌に敷いたキュウリにほんのり甘味のきいたタレが絡めてある。一緒に食べると肉のうまみがありながら、さわやかな後味になる。
ミニチャーハンは普通のチャーハン。ぱらぱらっとしたご飯がうれしい。スープもたっぷり量があって、まるでお茶みたいにマグから直接飲みながら一息つける。
デザートの杏仁豆腐はこってりとして濃厚。舌がとろけそうな食感だ。品数はたくさんあるが全体の量は多すぎず少なすぎず、きっちりお昼ごはん1回分にまとまっている。
奮発したいときも軽く済ませたいときも、よいお店だった。なお2018年10月時点では当面月曜日が定休日となっている。
巧匠
東京都品川区上大崎 2-13-22 シーアイマンション白金1階