フクロウといわれてどんな姿が浮かびますか?私は魔法使い「ハリー・ポッター」のペット、白フクロウの「ヘドウィグ」。あの映画を観て以来、せっせと手紙を運ぶ賢いあのコに憧れてます。あんなふうに、フクロウや魔法が使えたらなぁ…

そんな夢見がちな筆者のもとに、「本物のフクロウに会えるカフェがある」との情報が。魔法使いになるのはムリでも、フクロウ使いの夢は叶うかもしれません!早速出かけなければ!
 

「ん、呼んだ?」
「ん、呼んだ?」


■月島は“もんじゃ”だけじゃない?

平日14時前の月島。のどかな街角に突如出現した行列。その先にはカーテンを締め切った引き戸があります。むむ、どうみても怪しい。もしかして秘密結社?
 

もんじゃ屋ではなさそう
もんじゃ屋ではなさそう


昨年10月にオープンしたというこのお店、もとはクリーニング屋だったとのことですが、カーテンに近寄ってみると…

フクロウだ!
フクロウだ!


そう、ここは本物のフクロウと触れ合えるカフェ「フクロウのいえ」。

お店は14時オープンで、混雑時は1時間ごとの入れ替え制。1回に入れる人数は8人程度だそうです。15分前くらいになると店員さんが出てきて、14時の回、15時の回、と振り分けてくれます。平日ということもあってか、お客さんはほとんど女性。それとも、フクロウ好きには女性が多いのかもしれません。気がつけば、行列は15人くらいになっていました。


■「フクロウのいえ」開店!

14時、カラカラと引き戸が開き、店内へ案内されました。

おわっ!フクロウが…いる。そこかしこに。腰ぐらいの高さの柵の上でじっとしてます!他のお客さんも口々に「わぁ」「きゃあ」と歓声を上げていました。
 

「今日もお客さんが来たわね」
「今日もお客さんが来たわね」


フクロウたちが気になりますが、まずは飲み物をオーダー。「フクロウのいえ」はワンドリンク制で、ソフトドリンク1,000円、アルコール1,200円。次に、店内での注意事項が説明されます。簡単にまとめると「人がされて嫌なことはフクロウにもしないでね」という内容。
 

アルコールも飲めます!
アルコールも飲めます!


説明が終わると、フリータイム。みなさん自由に店内のフクロウたちと触れ合えます。この日店内にいたのは成鳥からヒナまで大小7羽。一部まだ若いヒナは、抗体ができていないのでさわれないとのことでした。
 

大人顔ですが、まだ赤ちゃんです
大人顔ですが、まだ赤ちゃんです


長く文鳥を飼っていた筆者。とはいえ、至近距離でフクロウは初体験。ガラス玉みたいな目を見つめつつなでなで。フクロウの羽毛、もふもふだぁ…。
 

「おう、気持ちいいかい?」
「おう、気持ちいいかい?」


■さらにフクロウと戯れよう

ひとしきり写真を撮ったりなでたりが済んでくると、皆さんやはり「フクロウを身に纏いたい」という欲(?)が出てくるようです。店員さんに頼めば、身体の好きな場所に乗せてくれますよ!
 

手乗りもふもふ
手乗りもふもふ


余談ですが、筆者は「風の谷のナウシカ」のように肩に動物を乗せることにも強い憧れを持っています。よって、今日はお気に入りの子を迷わず「肩」へ!

まずは、小さいのにキリリとした姿が可愛いコノハズク。ぽてっとした心地よい重み。頬に寄ってくると、ふわふわの羽毛が触れます。姿見に映してうっとり。かわいい。ひたすらかわいい。
 

筆者のイチオシ。小型のサイズ感がたまらない。
筆者のイチオシ。小型のサイズ感がたまらない。


そして、フクロウといえば?大きくて勇ましいベンガル。さすがにずっしりしていますが、敵に襲われたら助けてくれそうな安心感を与えてくれます。皆本当におとなしくて、人にすごく懐いているんです。ほかのお客さんたちも、あちこちで手や肩に乗せて楽しんでいました。
 

首の角度がすごい
首の角度がすごい


■どんな人が来るの?

ところで、1時間一緒に過ごすお客さんたちは一体どんな人々なのでしょう?友達、カップル、老夫婦、母娘…と組み合わせは本当に様々でした。皆さん鳥全般が好きなのかと思いきや意外とそうでもなく、中には「鳩はダメだけどフクロウは好き!」という人も。「フクロウと暮らしたいけどダンナが邪魔で…」なんて冗談?も飛び交っていました。とにかく、「フクロウ好きに悪人なし」。1時間過ぎる頃には、お互いフクロウを通して打ち解けています。
 

誰ひとり座りません
誰ひとり座りません


この日は初来店の人が多かったようですが、常連さんだと週1は結構当たり前とか。過去には、週3日で通っていた人やはるばるシカゴから訪れてきたお客さんもいたとのこと。店員さんの、「ここはカフェというよりフクロウ好きのコミュニティのようなもの。皆さん55分立ちっぱなしで楽しんで、残りの5分でドリンクを一気に飲み干す感じです」という言葉にも妙に納得です。

はっ、そういえばここはカフェでした…ラップをかけて出されるドリンク、とても美味しいのですが、なにせフクロウに忙しくて忘れかけてました。お店ではこの状況を考慮して、氷も入れないようにしたそうですよ。
 

ドリンクにラップをかけてくれるので、安心してフクロウに没頭できます
ドリンクにラップをかけてくれるので、安心してフクロウに没頭できます


ちなみに、店内ではフクロウグッズの販売や、フクロウ映画も放映されています。
 

フクロウグッズも豊富!
フクロウグッズも豊富!
お客さんから集まったフクロウコレクション
お客さんから集まったフクロウコレクション


そして、ただフクロウを愛でていたつもりが、いつの間にかそこかしこで「飼い方」の質問が飛び交っています。筆者も70万円のレアヒナに釘付け。どうする?買っちゃう?
 

ウラル×モリのハイブリッド。レアなヒナですが何だか眠そう
ウラル×モリのハイブリッド。レアなヒナですが何だか眠そう
「まだ小さいから、眠いと立ってられないの…」
「まだ小さいから、眠いと立ってられないの…」


店内のほかのフクロウたちも、しばらくするとうとうとし始めます。フクロウは、猫のように寝たい時に寝るんだそうですよ。あまりに気持ちよさげで、こちらもつられて眠ってしまいそう…
 

愛くるしい寝顔
愛くるしい寝顔


さて、1時間後、みな一様に満足気な表情を浮かべ店を後にするお客さんたち。筆者も早速フクロウの飼い方を調べてみたところ、「エサ:冷凍ラットやウズラ」という事実に思わず動揺。うーん…とりあえずまたお店に行きますか。