ユニセフは衣服から汗を抽出し、飲料水に変換する世界初のマシン「Sweat Machine(汗マシン)」を開発した。このマシンを使えば、1枚のシャツから平均10ミリリットルの飲料水を抽出可能だという。同マシンは、7月14日から20日まで開催されたサッカーのユース世界大会「ゴシアカップ」の会場に設置されていた。

ユニセフによれば、このデバイスを設置した目的は、地球のあらゆる生物が同じ水を共有しているという事実と、世界の7億8,000万人が清潔な飲料水を入手できないという事実を人々に広く知ってもらうことだという。ゴシアカップに参加したサッカー選手は、汗まみれのユニフォームをこのマシンに投入し、Sweat Machine で精製された水を飲むことでユニセフに貢献する。だが飲むのは自分の汗ではない。他人の汗だ。
ユニセフは、デバイス設置について次のように説明している。
「我々はこの問題を、楽しく、かつ人の興味をそそる方法で提示したかった。Sweat Machine は、人間が同じ水を共有していることを気付かせてくれる。人間は、どんな外見をしていても、どんな言葉を喋っていても、同じように水を飲み、汗をかくのだ」
このデバイスには、スウェーデン王立工科大学が開発したフィルターが利用されているという。
「水から不純物を取り除く技術には、多くの異なったものがある。Sweat Machine は、国際宇宙ステーションで使用されるデバイスと同じレベルのものを目指して設計された。宇宙では、冷却水、尿、汗など、どんな汚れた水の一滴であっても、かけがえの無い、貴重なものなのだ。信じられないかもしれないが、Sweat Machine から出てくる水は、一般のスウェーデンの水道水よりもきれいだ」
有名なサッカー選手 Tobias Hysen 氏と、Mohammed Ali Khan 氏が、ゴシアカップ中に最初に"汗の交換"を行った。その後も、多くの選手たちが汗に濡れたユニフォームを提供し、お互いの汗を飲み、ユニセフのキャンペーンをバックアップしたという。
ゴシアカップの事務局長 Dennis Andersson 氏は、次のように述べた。
「我々は、世界で最大規模のユースのフットボールトーナメントを楽しみ、共に汗をかいた。我々はユニセフのような組織をサポートし、彼らの使命である子供たちの権利の保護に貢献できたことを誇りに思う」
