先日、香川県の小豆島(しょうどしま)を
一人めぐってきた筆者。実は、小豆島からフェリーで30分ほどのところにある豊島(てしま)にも足を延ばしていました。
豊島は自転車でも1周できてしまうほど小さな島ですが、
瀬戸内国際芸術祭が開催されていることもあり、最近は国内のみならず海外からも多くの観光客が訪れるようになっています。小豆島と同じくオリーブの産地であるほか、レモンやみかん、いちごなどフルーツの栽培もさかんなのだそう。
そんな豊島でも、
ここでしか食べられない“島グルメ”を続々と発見!というわけで、旅の風景とともにご紹介しますよ~。
◆そこは島の“集会所”!地元食材を使った「島キッチン」
空き家をレストランに改装したという「島キッチン」。ここでは、地元でとれた魚や野菜をふんだんに使ったメニューが提供されています。
ちなみに島キッチンでは、毎月島の人たちのお誕生日会を開催しているそう。とてもアットホームなお店ですね!
今回注文したのは「島キッチンセット」(1,543円)。フルコースのお料理のように、前菜、サラダ、メインと次々にお皿が運ばれてきます。
鯛のカマの南蛮漬け(手前)と、
島で作られた野菜のサラダ(奥)
今日のメイン料理は、今が旬の「鯛のフライ」。ズッキーニ、かぼちゃ、ニンジンなど色とりどりの野菜が添えられています。
サクッとした衣に包まれた鯛フライは、
肉厚でぷりっぷり!噛めば噛むほどジューシーな旨みがあふれ出てきます。まろやかなタルタルソースの甘みと程よい酸味が、淡泊な鯛の味にアクセントを加えています。
さらにデザートも追加注文!豊島産のレモンを使った「レモンのパウンドケーキ」です。食べる前から、フレッシュなレモンの香りがふわり...。
分厚くカットされ、どっしりとした重厚感のあるパウンドケーキに、クリームと“ユスラウメ”のコンポートがトッピングされています。最後にまぶしたパウダーシュガーが粉雪みたいで、何だか涼しげ。
ケーキ生地はしっとり、ぎっしりと目が詰まっていて、食べごたえ満点!レモンの爽やかな酸味とほのかな甘みの中に、ほろ苦いレモンピールがアクセントを加えています。
網戸から抜けてくる風の香りを感じながら食べていると、子どものころ田舎のおばあちゃんの家で過ごした夏休みを思い出しました。そんなセピアでノスタルジックな思い出も、おいしさを倍増してくれるかも?
◆夏の和スイーツ!「いちご家」の大福カキ氷
いちご農家が営むスイーツ店「いちご家」さん。ここでは、自家農園で育てられたいちごを使ったクレープやパフェ、カキ氷などが販売されています。
いちごを隠し味に使った「いちごカレー」は今日は売り切れ。残念!
じりじりと照り付ける初夏の陽気にすっかりバテ気味の筆者。さまざまな種類のカキ氷メニューの中から、糖分をしっかり補給できそうな「いちご大福氷」をセレクトしました。カキ氷の中に、白玉と小豆が入ったものです。
たっぷりとかけられたいちごソースはとてもジューシーで、
雑味のない濃厚な完熟いちごの甘さ!氷はふわふわ柔らかく、口に入れた瞬間じゅわっと溶けます。つゆだくのいちごソースと絡めて食べると、さらに“ふわとろ”食感に!
しばらく食べ進めると、中から白玉と小豆が出てきました!白玉はちょっぴり中が凍っていて、シャリっ、もちっとした食感が新鮮。ほっくり甘いあずきと氷いちご、全部一緒に口へ運ぶと...おおっ!
確かにこれは“いちご大福”!ひんやり冷えたいちご大福だ!!
M、L、ビッグサイズが用意されている中、今回筆者が食べたのはビッグサイズ(670円)。かなりのボリュームですが、氷がふわふわなのでペロッと食べられちゃいます。
また店頭では、お土産用に「いちごジャム」や「いちごソース」も販売されています。これを手に入れれば、家に帰ってからもおいしい氷いちごが食べられるかも...!?
◆まるで船の上みたい!「海のレストラン」
海岸のすぐそばに佇む、まるで船上レストランのような気分が味わえる「海のレストラン」。満潮時は波がすぐ近くまで寄せてくるので、
本当に船の上にいるような景色を見ることができるそうです。
ここでは漁師さんが届けてくれる、
その日に上がったばかりの鮮魚がメニューとして提供されています。ほかにも地元で採れた野菜など、旬の食材をふんだんに使った“最高の料理”が食べられるのだとか!
新鮮なお料理が提供されます
(出典:海のレストラン公式 Facebook)
贅沢な旬の山菜も
(出典:海のレストラン公式 Facebook)
夕暮れ時に予約して、サンセットを眺めながら食前酒で1杯、なんて素敵じゃないですか?ひとりでしっとり雰囲気を堪能するのもいいけれど、ここはぜひ美しい景色を共有できる友達や恋人と訪れたいところ。
◆おまけ。高松で「讃岐うどん」
さて、小豆島~豊島と香川県の離島を旅してきた筆者ですが、実は名物の「讃岐うどん」をまだ一口も食べていませんでした。...なんてこった!このままでは帰れない!ということで、高松空港へ向かう直前に大慌てでうどんを食べに行くことに!
やってきたのは高松市にある老舗うどん屋「さぬき麺業」。種類豊富なうどんメニューが取り揃えられているほか、うどんと一緒に食べたいサイドメニューの「おでん」も充実しています。
何を隠そう人生初・本場讃岐うどんの筆者。ここはベーシックに...と「冷やしぶっかけうどん」(350円)と「冷やし釜玉うどん」(430円)を注文してみました。
麺は太めでもっちもち!コシがあって、ラーメンでいうと“バリかた”に近いほどの噛みごたえがあります(冷たいうどんはコシがより強いそう)。つるっとなめらかな口当たり、爽快なのどごし、しっかりとした噛みごたえ...こんなにおいしいうどんを、どうして今まで食べなかったんだろう...!
たらふくうどんを食べ、無事に東京へ戻ってきて思うこと。それは「豊島は初めて訪れた場所なのに、どこか懐かしい」ということ。小さな島だけれど、ふところのとても大きな島。人も景色もあたたかくて、まるで“実家”に帰って来たような錯覚を呼び起こします。
ここでは何をするでもなく、おいしいものを食べて、ただぼんやりと風景に溶け込むというのも正しいひとつの過ごし方かもしれません。ふだん都会の暮らしに慣れている人にこそ、ぜひ訪れてほしい“癒しの場所”です。