天丼てんやの「えびえび桜海老天丼」と「桜そば」を一緒に食べる「桜満開セット」を試してきた。春の食材をこれでもかと揚げた丼に、色も香りもサクラを押し出したそばの取り合わせだ。
桜満開セットの値段は1,080円(税込)。てんやでそばを注文するのはひさしぶり。まだ肌寒い日もあるのに冷たいそばというのはややためらったが、見ための華やぎにひかれてつい頼んだ。
・桜そば
お盆にのって到着すると豪華な雰囲気だ。さっそくそばからいただく。いろどりだけでなく、本当に香りもふんわりサクラ。お菓子以外で、花のにおいをつけた食べものを口にするのはめずらしい体験で、ちょっとわくわくする。
そばをツユにくぐらせてもサクラの香はかき消されたりせず、つるつるとした食感とともにちゃんと味わえて乙(おつ)だ。ただし一緒についてくるワサビを多めにツユに落とした場合は、さすがに負けてしまう。ワサビの利かせてそばをたぐるのが好きなのでついやってしまったが、もっと慎重にゆくべきだった。
ツユをくぐらせても香りは消えない。ただしワサビを多めに入れると負けてしまう
page エビ!エビ!そしてエビ!
・えびえび桜海老天丼
気を取り直してお次は天丼。サクラエビ、タマネギ、ミツバを合わせたかき揚げに、エビ天2本がついてインパクトのある盛りつけ。ほかにタケノコ、アカウオ、焼きノリという春らしい食材が入っている。
サクラエビのかき揚げはサクサク、パリパリ。衣そのものに小気味よい歯ごたえがあるのに加え、サクラエビもスナックのような食感があるので、ゆっくり噛んで、微妙なちがいを味わい分けて楽しみたいところ。エビ天とはまた違った魚介の香りもし、甘くやわらかなタマネギを引き立てる。
エビ天はぷりぷりの身が厚めの衣に入った、いつものおいしさ。短くちょっとずつ噛みきって味わうとおいしい。2つともしっぽまで食べてしまった。
タケノコはよい香りがするが、歯ごたえはやわらかめな火の通り方。かじるとシャキシャキというより、さっくり舌の上に崩れる。
アカウオはボリューム担当。メニューには「ホクホク」と書いてあったが、どちらかといえばこってりしていて、エビ一色の中でアクセントになる白身魚だ。焼きノリの天ぷらは初挑戦だが、うまみがあってご飯が進む。
普通の天丼よりぐっと値は張るが、それに見合ったにぎやかさがあるセット。ちょっと浮かれた春の気分を盛り上げたいならぴったり。