東京・渋谷にある「biodinamico(ビオディナミコ)」は丼パスタがおいしい。つけ麺、油そばを連想するがっつり感だが、雰囲気はあくまでおしゃれ。スパイスを利かせた風味も素敵だ。
渋谷のど真ん中
入り口はここ。階段がたいへんなら裏に回ればエレベーターもアリ。
ビオディナミコは渋谷駅を出て公園通りを進み、途中で折れて一つ通りを入ったところにある。ファッション関連のお店が立ち並ぶ一角。ビルの3階にあってやや分かりにくいが、中は広々している。ちなみにカタツムリのマークが目印になっていて、内装にも描いてある。
ランチは1,200円(税込、以下同じ)。主菜のパスタのほかサラダ、おかわりできる自家製パンに豚小さな肉のパテもついている。パスタは3種類あるが、定番という「トスカーナの辛~いトマトソース」を注文した。
フワフワ、シャリシャリのニンジン
最初に来たサラダは糸のように細く刻んだニンジン。フォークですくうとふわふわ、口に運ぶと歯ごたえはシャリシャリ。
生のニンジンがこんな食感になるのはちょっとした驚き。コショウのほか、ウイキョウ(フェンネルシード)というスパイスが利かせてあって、イタリア料理なのにエスニックな雰囲気も。
自家製パンにはパテをたっぷり
続いて運ばれてきたパンは、とてもやわらかな焼きあがりで、端を指でつまんで簡単にちぎれるほど。
自家製ということで、もっと固くてしっかりしたパンを想像していたので意外だった。一緒についてきたパテは豚肉の味がしっかりついてコッテリしているが、サラダと同じくフェンネルシードが入っていて、香りはあくまでさわやか。シードのプツプツした食感も楽しい。
これをバターがわりに塗って食べると、パン生地のふんわりした食感と、パテのなめらかな舌ざわりとが順に味覚を刺激し、フェンネルシードの香りとあいまってかなり幸せな気分になる。
page いざ丼パスタ
丼パスタ登場!
いよいよ丼パスタ。通常は100gのところ大盛無料とのことで、1.5倍の150gに増量してみた。チーズたっぷりのトマトソースがからんでいても、はっきり形のわかる角ばった麺。
どちらかといえばつけ麺や油そばを連想するが、しかし一口試すとはっきりパスタだと分かる。太くてコシの強い麺は、わずかにモチモチとした食感もあり、おしゃれなイタリアンのはずなのに、ジャンクなおいしさも同居している。
ソースは名前の通りトウガラシが利いてピリリと辛い。水分は少なめでチーズをどっさり入れてあるせいで太い麺にもとてもよくからむ。フォークでくるくると麺を巻き取るだけでしっかり一緒についてきて、ほおばるとトマトの濃厚な風味がある。
太くて角ばっててコシが強くて、ちょっともちもち。ソースがよくからむ
それでも丼にソースが残ったら、自家製パンのおかわりと頼んでぬぐって食べてもいい。つけ麺でいうところの「割りメシ」感覚。もっともデザートを楽しみたい場合はバランスも考えたいところ。
カフェはラテアートが美しい
食後に500円でコーヒーとデザートのセットがつけられる。コーヒーだけなら200円から。
コーヒーはカフェラテまたはカプチーノがおすすめ。というのもビオディナミコには今(11月時点)バリスタがいて、もしタイミングがあえば、ラテアートを描いてもらえる。
200円のカフェラテにバリスタのラテアートがつくのは得をした気分。優雅な木の葉模様は飲んでしまうのがもったいないほど。牛乳のおかげで風味はやわらかだが、コーヒーとしてはかなり濃く淹れてあって、苦味も強い。飲んでいると目が覚める。
デザートは数種類から選べるが、やはり定番というパンナコッタにした。バニラビーンズの黒い粒が入っていて、バニラの香りがとても強い。
味はとてもこってりしているが、上にのせたミントの葉のすっきりしたにおいでうまく釣り合いをとっている。小さなガラスの器に入っているが、スイーツとしての食べごたえは十分にある。
渋谷らしい、おしゃれな雰囲気と、ジャンクながっつり感が共存する不思議なイタリアン。ワインの品ぞろえも自慢とかで、ランチだけでなく夜のメニューも興味を惹かれるお店だった。
biodinamico(ビオディナミコ)
東京都渋谷区神南1-19-14 クリスタルポイントビル3階