
【注意】記事中に刺激の強い写真やメニューなどが登場します。ご注意ください。また、閲覧は自己責任でお願いいたします。
最近ハマッているとあるゾンビドラマで、サバイバル中の登場人物たちが虫や蛇などをさばいて食べるシーンを見かけた。幸福なことに現在の日本はコンビニやスーパーへ立ち寄れば手軽に食品が入る環境にあるが、近い将来、万が一ゾンビが町を徘徊するような世界になったらそうはいかないだろう。今からこういった普段口にしない食べ物に慣れておかなければ…!
■ 食のサーカスへようこそ
そこでやって来たのが、JR高田馬場駅から徒歩3、4分の場所にある「獣肉酒家 米とサーカス」。こだわりのジビエ(狩猟で得た野性鳥獣の食肉)や全国の珍味を和テイストで提供するユニークな店だ。猟師や生産者と直接契約しているためこれらの料理が比較的低価格で楽しめる。
ぼんやりと赤い光に照らされた「米とサーカス」の文字。入り口では「獣出没注意」の看板とともに死んだ目をした鹿がお出迎え。既に怪しすぎる。

入ってすぐ、ポスターが貼られた店内は確かに“サーカス”っぽい雰囲気。しかし、“楽しいサーカス♪”というよりかは丸尾末広氏の『少女椿』に近い世界観のようにも思える。

さらに奥の扉へ案内され、カウンター席に腰掛ける。筆者が向かったのは土曜の20時頃だったが既に店内はほぼ満席。皆、笑顔で食事を楽しんでいた。



テーブルに用意されていたメニューは、絵本の中身をくり抜いて作られたもの。ここで提供しているジビエに関する物語がチョイスされているんだろうな。筆者のテーブルは「かちかち山」だった。

悩んだ結果、まずは限定5食の「ヤギの金玉ルイべ(税込980円)」と、「オオグソクムシ(税込1,980円)」をチョイス。注文の際、なんとなく恥ずかしく「ヤギの睾丸を…」と言ったらスタッフのお兄さんに「はいっ!キンタマっすね!」と元気よく訂正された。


■ 生命の味がする
まずは「ヤギの金玉ルイべ」から。ぱっと見「刺身」のようで、メニュー名を言われなければヤギのアレとは気づかないだろう。酢醤油につけて食べるのがおすすめとのこと
最初の食感はシャリッ…。イカの刺身に似た風味。噛むたび独特の風味が口いっぱいに広がっていく。なんというか、生命の味がする。生臭いとも違う、こう、うん、独特の味がする。

ちなみに、ある程度時間をおいて解凍されきったものを口に運んでも同じ印象だった。添えられた生姜をたっぷりまぶすと少し食べやすくなる。胸のあたりに溜まる味だ。これは好き嫌い分かれるな…。
■ 人気の深海生物
お次は「オオグソクムシ」。予想より小さいが、見た目は完全にオオグソクムシ。ひっくり返すとヤバい。正面から見てもあかん。エイリアンとプレデターを足して割ったみたいな顔してる。


恐る恐る一口。サクサクとした食感で、エビフライの尻尾に近い。胴体の部分にも身が詰まっており、ここらへんは海老の素揚げとほぼ一緒。っていうか、普通においしい!酒のつまみにも良さそうだ。


他にも見た目そのままな「ヤモリの姿炙り(税込1,480円)」や、「カエルのスープ(税込1,680円)」などちょっと珍しい料理が盛り沢山。なお、ヤモリは小骨の多い白身魚と鶏肉を混ぜたような食感で、カエルのスープはほぼササミのスープだった。どちらも結構うまい!




また、見慣れたメニューも提供されており、お通しで出てきた「切り干し大根」や知人が頼んでいた「ポテトサラダ」もかなり美味しかった。単なる“インパクトだけの店”ではないことが分かる。

帰る頃には「ゾンビが出ようと出まいと普通にまた食べに来たい」と思えたくらい満足度の高い「米とサーカス」。新宿に姉妹店「パンとサーカス」もあるそうなのでいつか訪問してみたい。
■ 米とサーカス
住所:東京都新宿区高田馬場2-19-8
住所:東京都新宿区高田馬場2-19-8