日本酒好きにはぜひ訪れてほしい「ぽろ ホームメイドキッチン」
日本酒好きにはぜひ訪れてほしい「ぽろ ホームメイドキッチン」

旅に出ると、その土地の酒と料理を味わえる店を訪れるのが筆者(酒朱)の大きな楽しみだ。先日名古屋市を訪れた際にもすばらしい店と出会った。その名は「ぽろ ホームメイドキッチン」。「名古屋市内で名古屋の日本酒が飲みたい」と蔵元さんにお願いし、紹介してもらった店だ。

■名古屋にも“地酒”がある

愛知県の地酒といわれてまず思い浮かべるのは、醸し人九平次(萬乗醸造)だろうか。蓬莱泉(関谷醸造)もよく耳にする。ところが名古屋でといわれるとどうだろう。筆者はパッと思い浮かべられなかった。

実は名古屋市内には7つの酒蔵がある(九平次の萬乗醸造も名古屋市の蔵だ)。このうち4蔵の若手がタッグを組んで活動している「ナゴヤクラウド」というグループがあり、「ぽろ」には、参加蔵がつくる日本酒がそろう。ほか、東海地区および全国から厳選された日本酒も用意されているそう。なんとも日本酒好きのココロをくすぐる店だ。

■家庭料理と米と日本酒を味わう

筆者は、2014年12月にオープンした2号店、円頓寺店を訪れた。(新栄町に同一コンセプトの1号店がある。)

ナチュラルな風合いに統一された入り口と店内。右手にあるカウンターには大皿に盛られた“おばんざい”が並ぶ。その内容は煮物や炊き合わせといった家庭料理が中心だ。

ほっとする日本の家庭料理が並ぶ
ほっとする日本の家庭料理が並ぶ

さっそく日本酒のメニューを見せてもらうと、A4一面にずらりと東海の日本酒が並ぶ(全国版は裏面)。銘柄とあわせて、産地(県内の酒は市や地区も)も手書きで記されている。

見ているだけで楽しくなる手書きの日本酒メニュー
見ているだけで楽しくなる手書きの日本酒メニュー

そしてお気づきになっただろうか、各銘柄の横には「軽×穏」「中×爽」など、味わいのイメージが書いてあることに。知らない銘柄でも味を想像しやすい。一方で、「すがすがしい」「ふんわり」といったキーワードや、その日の気分に合わせて、スタッフに選んでもらうことも可能。もちろん料理に合う酒や、酒に合わせた料理も提案してくれる。日本酒を愛するスタッフがいる店なのだ。

■名古屋の日本酒を飲んでみる

この日は“名古屋の日本酒”を飲むことが目的だったので、ナゴヤクラウド4蔵の「鷹の夢 純米酒」「本醸造 金虎」「特別純米 ナゴヤクラウド(神の井)」「東龍 純米酒」を注文。それぞれに合うおばんざいも選んでもらった。

4本の瓶を並べてもらった
4本の瓶を並べてもらった

軽やかな飲み心地の東龍は煮物とあわせて。また神の井の特別純米酒のおともは南蛮漬け。穏やかな後味が酢の酸味をやわらげてくれる。芯があり口の中に旨みが広がる鷹の夢は、煮魚と相性抜群。そして4つの中で最も“日本酒らしい”キレのある金虎は、天ぷらに負けないどっしりとした味わいだった。

ところでこの4本、ラベルデザインがとても印象的。富士山の上で鷹が悠々と翼を広げる鷹の夢のラベルはロゴも凝っているし、金虎に描かれた虎など今にも動き出しそうなほど凛々しい。これらは、公募により、全国から寄せられた652点の作品の中から選ばれたそうだ。

店内にはほかの応募作品が飾られている。自分ならどんなデザインにするか、そんなことを考えるのも楽しい。

さまざまなテイストがあって楽しい
さまざまなテイストがあって楽しい

こういったエピソードを添えて、名古屋みやげに日本酒を贈るのはいかがだろう。

さて、そうこうしているうちにいい香りが漂ってきた。釜飯が炊き上がったらしい。一番人気の「鯛の釜飯」。骨を外してからざっくりと混ぜていただく。鯛の旨みが染み込んだご飯は、香りも味も絶妙。ツヤツヤ輝くおこげも醍醐味のひとつだ。

底から返すと美しいおこげが現れる
底から返すと美しいおこげが現れる

同店はもともと、米に焦点を当てるところから始まったそう。それだけに、釜飯には“幻の米”ともいわれる豊田市産「ミネアサヒ」を使うというこだわりぶり。小さめの粒にぎゅっと旨みが詰まっていて、冷めてもおいしいのだとか。

■日本酒愛があふれる店

店内を見渡すと、日本酒のラベルが所狭しと貼り付けられた壁が目に入る。そのそばに記されたサインやメッセージは訪れた酒蔵関係者によるものだそうで、中には杜氏のサインもある。お客と店員、皆の日本酒愛があふれる店なのだろう。

壁一面に並ぶラベルとメッセージ。見ていて飽きない
壁一面に並ぶラベルとメッセージ。見ていて飽きない

おばんざいをつまみながら日本酒片手にほっと一息つける「ぽろ」。深夜の来訪だったにも関わらず、あまりに居心地が良くてすっかり長居してしまった。自宅(都内)の近くにないのが悲しくてたまらない。あれば間違いなく通うだろう。少なくとも、名古屋に行く際には必ず再訪したい。

【店舗詳細】
ぽろ ホームメイドキッチン 円頓寺
住所:名古屋市西区那古野1-6-18
アクセス:名古屋市営地下鉄丸の内駅から徒歩8分
営業時間:ランチ11時30分~13時30分(不定休、1月中の土曜は休み)、ディナー17時~24時(ラストオーダー23時)、ディナーは基本無休
電話番号:052-462-9884