
寄せられた情報をもとに、築地市場駅から歩いて場外市場へと向かう。新大橋通りからエリアに入り、2本目を左に曲がると、右手側にあるのが「東印度カレー商会」だ。細かい道筋の説明は端折(はしょ)るが、どこからか漂ってくるカレーの匂いに気付いたら、それを頼りに店を探せば良い。


店内は、壁一面が朱色で統一されていたり、大きな玉が天井から吊り下げられていたりと異国情緒満載。そして、店じゅうにスパイシーな香りが充満している。幸せだ。このままカレーに溺れたい。

メニューは2種類。「上上豚カレー」(900円)と、「上上スパイシー豚カレー」(950円)だ。どうやら内容は同じで、辛さだけが違うらしい。筆者は辛党を代表して「VERY HOT」と書かれた「上上スパイシー豚カレー」を注文することに。

5分ほどすると、スタッフさんから「ご飯はどのくらい食べますか?」との質問が。なんと、ここでは “ふつう盛り” でライスがお椀2杯分盛られるのだそう!なんてこった!
とても魅力的だが、さすがに朝からそんなに食べられる自信がなかったので、お椀1杯分に減らしてもらった。もし足りなければ、あとでおかわりしてもいいそうだ。その心遣い、粋だ。
そしてついに、上上スパイシー豚カレーがやってきた!プレートがでかいぞ!!

本場のスパイスが溶け込んだような色をしたカレーの海に、じゃがいも、ニンジン、たまねぎ、そして巨大な豚肉が浮いている。野菜はすべて皮ごと豪快に調理されている。

このルー、本気で辛い。舌がビリビリしてくる。付け合わせの福神漬けを一緒に食べてみるが、まったく歯が立たない。だが、じっくりと煮込まれたコクと旨みがあり、食べる手が止まらないぞ!
ちなみに、ルーはおかわり自由だそう。「上上スパイシー」が辛すぎたら、「上上」のルーを追加してもいいとのこと。どこまで太っ腹なんだ、東印度カレー商会!


そして、とろっとろに煮込まれた豚肉。これがもう、最高に美味い。柔らかくて、甘くて、ベリーホットなルーをまろやかにしてくれる。

ふと気づくと、ご飯の壁によってルーとは隔てられたところに、カボチャがコロン。2つあるので、ひとつは中盤で、もうひとつは食後のデザートとして食べるのがオススメだ。冷たいのに優しいツンデレな甘さで、燃えたぎる舌をクールダウンしてくれる。

冬なのに汗だくでカレーを食べていたら、スタッフさんがお口直しにラッシーを差し出してくれた。ヨーグルトの酸味で、口の中もサッパリ爽やかに!

魂をかけた食事が終わり、しばし放心状態。ようやく落ち着いてからお会計を済ませて外へ出ると、お店オリジナルの「おにぎり」が売られているではないか!これは買うしかないっしょ!
ということで、今回はおみやげに「イイダコおにぎり」を購入。オフィスに戻って食べてみることにした。


「イイダコおにぎり」は、ガーリックバターで炒めたイイダコを、カレー味のご飯で包んだおにぎり。タコさんウインナーではなく、本物のイイダコだ。

カレー粉がたっぷり練り込まれたご飯は、本格的なスパイスの味!だがカレーほどは辛くないので、ガツガツ食べても大丈夫だ。舌は燃えない。
タコさんも食べてみる。うん、タコだ。プリプリっとしていて、まったく生臭くない。
そして忘れてはいけないのが「のり」だ。このおにぎり最大の魅力といってもいいかもしれない。みずみずしい磯の香りがカレー味のご飯を引き立て、タコの美味しさも増している。これは築地ならではの美味しさだ。

東印度と築地が融合した奇跡の味に脱帽。このおにぎりだけでも食べに行く価値はあるが、せっかく築地へ足を運ぶのなら、ぜひ一度「上上スパイシー豚カレー」を試してみてほしい。辛いのにクセになる、この味の虜になること間違いなしだ。