昔ながらの雰囲気を引き継いだ歴史ある飲み屋が並ぶ、新宿ゴールデン街。作家や俳優、映画監督などが集まる街としても有名です。夜に活発になるイメージが強いこの街ですが、実は昼だけ営業しているお店があります。今回は、お昼の間だけ絶品カレーを楽しめるカレー屋「エピタフカレー」をご紹介します。
■昼のゴールデン街へ
「エピタフカレー」があるのは、新宿ゴールデン街あかるい花園5番街を入ってすぐ。近郊には、吉本興業東京本部や花園神社があります。「エピタフカレー」の店内は、カウンターが5席にテーブル席がひとつ。扉が開け放されているせいか店内は明るく、ゴールデン街に来るのが初めての人でも入りやすいような空間になっていました。
■日本人の舌に合う南インドカレー
エピタフカレーで提供しているのは、基本的に南インドのカレーです。店主の佐藤さんは、大のカレー好き。2016年には本場インドへ行って、現地の味を確かめ、カレー料理のレッスンも受けていたのだとか。「エピフカレー」で提供するのは、そんな本場の味にアレンジを加え、より日本人の舌にあうよう”改良“した南インドカレー。本場の味が苦手な人でも楽しめるテイストになっています。今回食べたのは、1番人気の「ケララチキン」と「ポークビンダルー」の2種がけ。白米を境に、左に明るい色合いの「ケララチキン」、右に濃い茶色の「ポークビンダルー」がよそられています。
◆ケララチキン
「ケララチキン」は、チキンとココナッツミルクを使ってマイルドに仕上げた一品。ごろっとカットされた大ぶりのチキンがジューシーで食欲をそそります。また、中に入っている唐辛子も、程よいアクセントとなっていました。この唐辛子は、カレーに加える前に油で黒くなるまで炒めているため、そのまま食べても平気な辛さです。「ケララチキン」は、インドのケララ州の料理。ケララ州では、「赤色=おいしい」という認識が強いため、赤い食べ物が多いそうです。なんと、水まで赤くすることがあるとか! そのため、「エピタフカレー」の「ケララチキン」も、パプリカパウダーを使用して赤みの強いカレーに仕上げてあります。
◆ポークビンダルー
「ポークビンダルー」は、多数のスパイスとにんにく、お酢などを使用してじっくり煮込んだカレー。基本的にインドのカレーはあまり煮込まないものが多いのですが、「ポークビンダルー」はよく煮込み、よく寝かせて作っているそうです。そうすることで、欧風のカレーに風味が近づき、日本人の舌にもよくあうカレーになるとか。ビネガーを入れているため、酸味が強めの甘辛いカレーになっています。「ケララチキン」に比べると、少し辛めです。「ポークビンダルー」は、インドのゴア州の料理。インド料理に豚肉は意外に感じられますが、ゴア州は元々ポルトガル領でキリスト教徒が多く、豚肉を食べる人が多いそうです。「ケララチキン」に比べて、ルーが濃い色をしています。
◆こだわりのお米
「エピタフカレー」は、ご飯にもこだわっており、インドのバスマティライスと日本米をミックスしています。バスマティライスのみだとパサパサしてしまいますが、日本米を加えることによって、軽いのにまとまりがありルーにもよく絡むご飯が炊きあがるのだとか。ターメリックライスにしないのは、「日本人は、白いお米が好きだから」だそう。これも、“日本人のためのインドカレー”を作るこだわりのひとつなのですね。「エピタフカレー」が食べられるのは、12:00-17:00までで、GW中も営業。休みは、定休日の火曜日と、GW明けの5/8~5/10。ルーがなくなり次第終了です。価格は、1種盛りが800円で、2種盛りが1,000円。
また、夜は「Kangaroo Court Decision」というバーになるそうで、佐藤さんがバーテンダーをしている月曜日は夜でもカレーを食べられます。その際は、チャージ料が必要。
■絶品チャイも一緒に
「エピタフカレー」では、ドリンクメニューの「チャイ」も絶品! 注文してから目の前で淹れてもらうチャイは、とろりと甘く、シナモンがよくきいています。濃い甘みとミルク感が辛いものを食べた舌を癒してくれる、食後にぴったりな一杯です。価格は、1杯400円。注文してから少し待つことがあります。■お洒落なロゴマークにも注目!
「エピタフカレー」公式ツイッターのアイコンにもなっている、ロゴマーク。なんとこのマーク、あの大人気アニメ「おそ松さん」や劇場版アニメ「ドラえもん」の作画を監督し、ミュージシャン星野源のMVなどを手がけた浅野直之さんがデザインしたものだそうです。店主の佐藤さんが浅野直之さんのご家族と知り合いで、開店する際にデザインしてもらったのだとか。サイのシルエットが印象的なロゴマークですよね。昼間のゴールデン街で食べる”日本人の舌にあうようアレンジされた南インドカレー。GWは、ちょっとレトロな雰囲気あふれるゴールデン街で、絶品カレーとチャイを味わってみては? メニューや開店情報に関しては、「エピタフカレー」公式Twitterで確認できます。