反対の声が高まる中、中国広西自治区玉林市では、毎年恒例の犬肉祭りが6月21日に開催されることとなった。英国メディア Gurdian をはじめ、多くのメディアが伝えている。

過去に開催された犬肉祭りの模様を伝える写真
過去に開催された犬肉祭りの模様を伝える写真

玉林市民にとって、毎年夏至の日に犬肉を食べるのは伝統行事となっている。だが、祭りにおける犬の扱いが残酷過ぎるとして、動物保護団体からの非難を浴びているのだ。


動物保護団体「Boai Small Animal Protection Centre」の創設者である Du Yufeng 氏は、同団体が今月初めから玉林市での抗議活動を実施。当局に対して祭の中止を訴えてきたと述べている。

過去の犬肉祭りの写真を見ると、犬たちが狭いケージに押し込められて運搬されていたり、屠殺された後に床の上に転がされていたり、鍋で煮込まれて料理として提供されたりしている様子が伺える。




だが、実際に現場に赴いた Yufeng 氏は、さらに残酷な光景を目にしたという。同氏は次のように説明している。

「地元政府チームの努力により、残酷さは幾分かは薄まった。だが、そのほとんどは表面的なものだ。私たちは、犬たちが調理される前にひどい目にあっているのを見てきた。より綿密な調査をすればするほど、より残酷さが目に付く」

動物愛護団体は、犬肉祭りでは毎年およそ1万頭の犬が食肉処理されており、その屠殺の方法は、感電死させる、焼き殺す、生きたまま皮を剥ぐなどの残酷なものが多いと主張している。

団体は英国や米国の政府に対しても、犬肉祭りを止めるよう嘆願書を出している。中国メディア South China Morning Post によれば、米国政府に向けて送られた嘆願書には、犬の屠殺方法が次のように記載されているという。

「彼らはナイフを使って生きている犬を殺す。その後、まだ意識のある犬を焼いて食べたがるのだ」

犬肉祭りが動物愛護団体からの非難を浴びるのはこれが初めてのことではない。2011年には、韓国と中国の犬肉祭りが、動物保護団体の抗議により中止になっている。