松のやの「カキフライとじ丼」はカキフライの衣のサクサクッとした食感を残しながら、上手に卵でとじた一品。広島産というカキの身もプリプリしておいしい。
この秋はカキフライ丼があちこちで食べられる。11月から登場した、かつやの「カキフライ丼」(並盛690円、税込、以下同じ)しかり、なか卯の「牡蠣とじ丼」(637円)しかり。
一方、松のやのカキフライとじ丼は9月から登場している季節メニュー。価格は680円。カキフライは4粒入っていて、なか卯より1粒多く、かつやと同じ。
大きな特徴は、衣のサクサクッとした食感。カキフライ全体に甘じょっぱいダシを吸わせるのではなく、衣の下半分だけをダシと一緒に固めに卵で閉じ、衣の上半分はからっとしたままにしてあった。
カツ丼や親子丼の調理法をそのままカキフライに用いるのではなく、「カキフライっぽさ」を残す工夫をしている印象。また中身はよく火が通っているが固くはなく、プリプリした食感がここちよい。ちなみに上に多めにかかっているノリはそこまで主張せず、あくまでいろどりと引き立て役だ。
なお、汁気はほどほどの卵とじだが、中にはタマネギがどっさり入っていて、これをカキフライと一緒に食べるととてもなじむ。
松のやではミソ汁もつくので、そちらもちょっとずつ飲みながら、じっくりカキフライの「卵でとじた部分」と「そのままの部分」の食感の違いを確かめると楽しい。