
ベジマイト(Vegemite)
オーストラリアでおなじみの珍味「ベジマイト(Vegemite)」。トーストに塗ったりスープに入れたりして食べるペーストなのですが、その独特の風味から「世界一まずいジャム」と言われてしまうことも。そんなベジマイト、実際どれほどまずいのか食べてみました!
ベジマイトは発酵食品
ベジマイトは、イースト菌抽出物(酵母エキス)や麦芽エキスでつくられた発酵食品。合成保存料や合成着色料は使われていません。
ふたを開けると、中身は黒くてマットな色合い。一見するとチョコレートみたいですが、そんな甘いものではありません(いろんな意味で)。

ベジマイトの味は?
パンに塗って口へ運ぶと、今までに感じたことのない強烈な発酵臭がツンと鼻を突きます。勇気を出してかじってみると…塩っ辛い!! そして、じんわりしみ出すほのかな苦みと、不可解なにおい(たぶん酵母)がまったり口に広がります。確かにおいしくは、ない。
味があまりに衝撃的すぎて心臓がばくばくしてきました。外国の人が初めて納豆を食べるときってこんな気分なのかしら…。
でもこれ、オーストラリアの人たちは食べてるんですよね。もちろん苦手な人もいますが、朝は毎日ベジマイトトーストを食べる人もいます。ビタミンB1やB2、葉酸なども含まれているので、栄養のために積極的に食卓へ取り入れている人もいるみたい。

ベジマイトを食べ続けてみると…
半信半疑ながら私も毎日ベジマイトのにおいを嗅いだり、ちょっとだけパンに塗って食べ続けてみました。すると体が慣れてきたのか、風味に何らかの中毒性があったのか、ちょっとずつクセになってきている自分がいたんです。
最初は「まずい!」と思っていたベジマイトへの気持ちが、だんだん「まずくはない」→「食べられる」→「ちょっと食べたい」へと変化していくのが分かりました。もしかしたら、発酵食品(納豆、味噌、漬物とか)が好きならハマる味なのかもしれません。
オーストラリアの人も最初から好きだったわけではなく、食べるうちにだんだん欲しがるようになっていったのかもしれませんね。現地へ行くことがあったら聞いてみたいと思います。
ベジマイト おすすめの食べ方
とはいえ初めてのひと口は相当奇妙に感じると思うので、食べるときのポイントは、バターを塗ったトーストの上にベジマイトを薄く塗ることです。本稿の写真は撮影用にたっぷり塗っていますが、とにかく味もにおいも濃いので、うすーくうすーくパンの上に伸ばすことが大事。あと、パンはなるべく厚切りで、生より焼いた方がベジマイトの独特の風味がやわらいで食べやすいと思います。珍味好きは一度試してみては?