「ガトー・バスク」。バスク地方を代表するその焼き菓子は、華やかな洋菓子と並べるとあまりに素朴で、目立ちません。でも何度でも食べたくなる魅力を秘めています。このガトー・バスクをはじめとするバスク地方の菓子をそろえた「MAISON D'AHNI Shirokane(メゾン・ダーニ シロカネ)」が6月、東京・白金高輪にオープンしました。

素朴な味だからこそまた食べたくなる「ガトー・バスク」
素朴な味だからこそまた食べたくなる「ガトー・バスク」

ガトー・バスクは、クッキー生地にカスタードクリームやジャムなどをはさんで焼き上げられています。バスク語では「ビスコッチャ」、17世紀に生まれたといわれているそうです。

メゾン・ダーニのガトー・バスクは、中にブラックチェリーのジャムがたっぷりと入っていて、なんといっても焼きたてを食べられるのが魅力。ほかほかと温かい焼きたてにかぶりつくと、砂糖の甘みとジャムの香りがじんわりと広がります。

ふわっと湯気が立ちのぼる
ふわっと湯気が立ちのぼる

近年、美食とアートの街としても注目されているというバスク地方は、フランス南西部とスペイン北東部にまたがっています。同店シェフの戸谷尚弘さんは、フランス側、北バスクにあるバスク菓子の有名な老舗「Miremont(ミルモン)」で修行を積みました。レシピをゆずり受けてトップシェフからお墨付きをもらったうえ、メゾン・ダーニのオープンに際しては日本で作ったものを持って行って味を確認してもらったのだとか。そうそう、店名の“ダーニ”は、現地で呼ばれていた戸谷さんの愛称だそうですよ。

ミルモンで食べた焼きたての味に感動したという戸谷さん。メゾン・ダーニでは、スペイン産の良質なアーモンドを生地に練りこみ、フランス産スリーズ・ノワール(ブラックチェリー、バスク地方の名産品)を自らジャムに仕立て、はさんでいます。1日に10回ほど焼き上げて焼きたてを提供。およそ1時間に1回ほどとなるので、出会えたらぜひ食べてみて。

オーブンから出したばかりの焼きたてが並びます
オーブンから出したばかりの焼きたてが並びます

バスク菓子店で修行したというだけあって、北バスクはもちろん、スペイン側の南バスクも含めたバスク地方のお菓子が並びます。

「ベレ・バスク」は、濃厚なチョコレートムースと生地を、ツヤツヤ輝くチョコレートでコーティングし、半球型に仕上げてあります。これ、ベレー帽の形。バスク地方はベレー帽誕生の地といわれていることもあり、現地ではこのような形のお菓子がたくさんあるそうです。このほか、赤色が映える「ベレ・ルージュ」、黄色とオレンジ色がかわいい「ベレ・エキゾチック」など、カラフルな“ベレー帽”が並んでいます。

生菓子が並ぶショーケース  最下段が“ベレー帽”シリーズ
生菓子が並ぶショーケース
最下段が“ベレー帽”シリーズ

バスク語で「おいしい」の意味をもつ「ゴショア」は、南バスクの定番菓子。濃厚なカスタードクリームと、ホワイトチョコレート入りの生クリームを組み合わせて仕上げられています。だからこそ、クリームの味わいをとことん堪能できます。

のせてあるプレートは、“バスクの十字架”ローブリュー。平和の象徴なのだそうです
のせてあるプレートは、“バスクの十字架”ローブリュー。平和の象徴なのだそうです

ショーケースの左手には、焼き菓子がずらり。朝に焼き上げたぶんだけ販売されるクロワッサンは、完売必至の大人気商品です。また作りたてならではの食感が楽しめるフィナンシェは必食の一品です。フチはカリッと焼きあがり、中は少し弾力のある絶妙な食感。ガトー・バスク同様、1個から紙に包んで渡してもらえます。

撮影後、売り切れてしまったため食べ損ねたクロワッサン
撮影後、売り切れてしまったため食べ損ねたクロワッサン


焼きたてフィナンシェは必食!
焼きたてフィナンシェは必食!

実は店内奥にはイートインスペースも。手際よく仕上げられていくスイーツたちを眺めながら、お気に入りのスイーツとエスプレッソをいただけば、至福のひととき。クロワッサンとコーヒーでモーニング、なんてのもよさそうです。

店内を眺めながら、ちょっと休憩
店内を眺めながら、ちょっと休憩

店舗所在地は東京都港区白金1-11-15。営業時間は7時から19時まで(火曜定休)。日本ではあまり見かけないフランスの地方菓子は、素材の味わいを私たちに伝えてくれます。

店舗デザインは、パリ在住のデザイナーが手がけたのだとか
店舗デザインは、パリ在住のデザイナーが手がけたのだとか