名物の陰の“ひそかな名品”を紹介する連載。39品目は、鎌倉紅谷(べにや)の「クルミッ子」。
神奈川・鎌倉の名菓で最も有名なのは、豊島屋の「鳩サブレ」だろう。鳩をかたどった大きめサイズのサブレで、空港やデパートなどで見かけることも多い。
今回紹介するクルミッ子は、昭和29年より鎌倉で続く菓子店「紅谷」の商品。クルミを混ぜ込んだキャラメルをバター生地で挟んだお菓子で、「第25回 神奈川県名菓展 菓子コンクール」(2011年)で最優秀賞に輝いた経歴を持つ。価格は5個入り702円(税込)。
外箱や個装のいたるところで登場する、素朴なタッチで描かれたリスのイラストがかわいい。両手で何か食べているようだが、クルミッ子だろうか。
形状は直方体で、1個の大きさは縦2cm横5cm高さ2cm程度。指でつまんで食べるのにちょうどいいサイズだ。
クッキー風のバター生地は、さっくりとした軽い食感。ほろっとほどけ、豊かなバターの風味を広げる。
中のキャラメルは自家製とのことだが、これが非常に美味。芳醇な乳のコクと香ばしさがたっぷりと感じられ、甘さは程よい。なめらかな口あたりがクルミのカリッとした食感やほろりとしたバター生地と好コントラストを奏でている。
お茶請けにぴったりのサイズにおいしさがギュッと詰まっており、自宅用にも贈り物用にも間違いのない一品。お茶だけでなくコーヒーや紅茶にもよく合う。
クルミッ子は鎌倉・横浜の紅谷5店で手に入るほか、デパートの諸国名菓コーナーなどに置かれていることも(今回は新宿伊勢丹で入手)。見かけた際はぜひ試してみてほしい。
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