子どもの頃、親によくそう怒られました。誰もいない部屋を冷やすのは無駄だから、というのがその理由です。でも、すぐには誰も飲まないドリンクを冷やすのが無駄だってことには、うちの親も気付いていなかったようです。
英国企業 Enviro-Cool は、缶ビールを45秒で5度に冷やせる冷却装置「V-TEX」を開発しました。仕組みはまったく違いますが、ドリンクを冷やしたいときにすぐに冷やせる「冷やせる電子レンジ」を目指した製品だそうです。
ぬるいビールを飲まされるのは勘弁して欲しいもの。でも考えてみれば、ビールを冷やすのは口をつける直前で良いはず。例えば、冷えたお弁当を食べる直前に電子レンジで温めるように、飲み物も飲む直前に冷やせればそれで十分じゃないのか。電力の節約になるのじゃないか。これが、V-TEX 開発の動機だそうです。
たしかに、温まると溶けてしまうアイスクリームなどとは異なり、ビンや缶に入った飲料は飲む時以外は常温で保存しておけます。なのにスーパーなどでは、電力を使って24時間ドリンク類を冷やし続けています。これは誰もいない部屋を冷やしているのと一緒で、無駄なのです。
V-TEX はエコフレンドリーな冷却システム。ボトルに入ったワインから缶コーラまで、ほんのわずかな時間で冷却することができるそう。Enviro-Cool 社によれば、V-Tex は飲み物の缶や瓶のまわりに、洗濯機のように回転する水流を作り、それによって急速冷却を可能にしているのだとか。へぇ~!仕組みはさっぱりわからないけど、すごい!
V-Tex は、業務用と家庭用の2種類があるそう。業務用はスーパーへの設置目的で設計されたそうです。スーパーにこれを導入することで、ドリンク類を常に冷やし続けるための電気代を節約できるだけでなく、冷却設備の導入費用も節約できるため、ドリンクの販売価格を抑えることが可能になるそうですよ。
お客さんは"オンデマンド"でドリンクを冷やせます
家庭用 V-Tex を利用すれば、ビールを冷蔵庫から床下収納などに移動可能になります。空いたスペースに、他の食品を収納できますよ。
それにしても、すぐには飲まない飲み物を冷やし続けるのが無駄だとは、思いもよりませんでした。V-TEX の開発者の方々、どうやって気付いたのでしょう?そして、もしかしたら、同じように無駄に冷やしたり温めていたりしているものが、他にもあるのかもしれません。そして、そして、それって、もしかしたらビジネスチャンスなのかもしれません。