棚に並んでいたのは、焼きそばパン系列(?)のお惣菜パン「お好み焼きパン」や「たこ焼き風パン」、どピンクなビジュアルが目を引く「りんご飴なクイニーアマン」、さらには、しょっぱいんだか甘いんだかよくわからない「まるで焼きとうもろこし風パン」などなど。
これ、まさに縁日の屋台ラインナップじゃないですか!誰からもお祭りに誘われなかった私への当てつけですか……なんて思いつつ気づいたらレジでお金を払っていました。せめてお祭り気分だけでも味わいたい、そんな切実な本心に逆らえなかったんです。
パンたちをずらり並べてみると、ますます高まるお祭りムード。というわけでここからは、みんなでワイワイお祭りに来ている妄想とともに、それぞれの味のレビューをお届けしたいと思います!
■しょっぱいラインナップ
●お好み焼きパン 149円(税込、以下同じ)
もちっとした生地に、焼きそば、味付けキャベツ、ソースをトッピングして“お好み焼き風”に仕上げたお惣菜パン。焼きそばが入っているのでどうやら広島風のようです。
パッケージを開けた瞬間から、カツオ節のいい香りが誘ってきます。切ってみると、中には焼きそばがぎっしり!これは食べごたえありそう。
ほお張ると、まずカツオの香りとうまみが口いっぱいに広がり、直後に濃厚なソースの味が追いかけてきます。アクセントに紅ショウガの辛みがキリッと効いています。
●アメリカンドッグ風ウインナードーナッツ 134円
ウインナーをケチャップとマスタードで味付けし、ドーナツ生地で包んで揚げた“アメリカンドッグ風”の細長いパン。端から端までちゃんとウインナーが届いています(むしろ片方はハミ出気味)。
かじってみると、生地は口あたりふんわり、噛むともっちり。揚げパンのような甘さがほんのりあります。ソーセージの“肉感”で、食べごたえもばっちり。屋台で売っているフランクフルトのような、あまじょっぱいおいしさが味わえます。
●ふんわりたこ焼き風パン 139円
屋台の“たこ焼き”をイメージし、紅ショウガ入りの「たこ焼きフィリング」をふんわりとした生地で包んで焼き上げたおかずパン。コロンと丸いフォルムに、こんがりと色づいた肌、天面にふりかけられた青のり…など、見た目は確かに“たこ焼き風”です。
表面の生地は薄めで、バターロールのようにふわっふわ!かぶりつくと、中からたこ焼きのトロけるフィリングがあふれ出してきます。紅ショウガもしっかり効いていて、かなり本物に近い味の仕上がり。温めてから食べると、なおおいしい!
■スウィートなラインナップ
●りんご飴なクイニーアマン 139円
生地でアップルフィリングを包み、表面にシュガーマーガリンを合わせて赤くカリカリに焼き上げた甘いパン。“りんご飴風”にアレンジしたクイニーアマンです。
ふんわりとやさしい口あたりの生地に、表面のシュガーがサリサリとした食感でアクセントを加えています。甘くてバターの香り豊か。中にたっぷり詰まったフィリングには、角切りアップルがごろごろ入っています。
真っ赤なビジュアルは確かにりんご飴っぽいけれど、食べてみると、むしろアップルパイやアップルデニッシュに近いかも。味も食感もやさしいので、大人から子どもまで幅広く愛されそう。お祭りのりんご飴みたいにね。
●バナナチョコづくし 129円
バナナ味のダイスチョコを、バナナ風味の生地と、ビスケット生地でサンドして焼き上げた“バナナづくし”の菓子パン。縁日で売っている“チョコバナナ”っぽいかなと思って買ってみました。天面のごつごつ、でこぼこしているところはダイスチョコが入っています。
サクッ(ビスケット生地)、しとっ(ダイスチョコ)、ふわっ(パン生地)、もちもち(パン生地)、と4つの食感がひと口に楽しめるバナナチョコづくし。パン生地もチョコも全部バナナ味なので、口の中はバナナ祭りに。バナナにチョコレートをかけた縁日のチョコバナナというよりは、上から下までバナナを楽しむパンでした。
ちなみにこのパンも、トースターで温めてから食べるのがオススメ。バナナの香りがさらに豊かになり、かじった瞬間口の中でとろけるチョコレートのおいしさが楽しめますよ!
●いちご練乳メロンパン 134円
おそらく“イチゴ味のかき氷”をイメージしたと思われる「いちご練乳」味のメロンパン。練乳クリームとイチゴジャムを包み、ビスケット生地とザラメをのせて焼き上げてあります。かき氷にかけるイチゴシロップのごとく天面にトッピングされているのは、イチゴ風味のフィリングだそう。
たっぷり空気を抱き込んだ生地はふかふか。噛むたびにバターの香りが口と鼻を抜けていきます。じゃくじゃくとしたざらめの歯ごたえが、かき氷っぽさを演出している…かも。練乳クリームとイチゴジャムの量が絶妙で、甘いメロンパン生地と一緒に食べても、くどさはありません。
確かにかき氷っぽいパンなのだけど…ちょっと温めてあげると、生地に練り込まれたバターの風味とイチゴのフルーティーな香りが増して、さらにおいしく食べられます。
■甘いとしょっぱいが共存
●まるで焼きとうもろこし風パン 139円
パン生地で醤油風味のコーンマヨを包み、“トウモロコシ風メロン皮”をのせて焼き上げた、まるで焼きとうもろこし風パン(ネーミングセンス抜群!)。しょっぱいのか甘いのかよくわからないままに、ひと口かじると…
うん、食べてみてもよくわからない☆でも何だろう、絶妙に美味いっ!
パン生地は、しっとりとしたトウモロコシ風メロン皮がキャラメルのように香ばし甘く、一瞬「これは菓子パンなのかな?」と思わせる一方、中に入っているコーン粒たっぷりのフィリングからは、醤油のしょっぱさとマヨネーズの酸味が感じられます。つまり正解は「外は甘くて中はしょっぱい」。
トースターで2~3分温めてから食べると、マヨの濃厚な風味が復活しておいしさが倍増します。焦げないように要注意!(でもちょっと焦げたくらいが焼きとうもろこしっぽいかも…?)
ちなみに今回食べた中で筆者がもっとも気に入ったのは、ふんわりたこ焼き風パン。見た目・味・食感ともに、本物のたこ焼きを見事に再現していてとってもおいしかった!
ということで、味覚で“お祭り気分”が楽しめるニューデイズのパン祭り、いや、祭りパンたち。見かけたらぜひ、夏が終わる前に食べてみて!