天丼チェーン「てんや」が、“ちょい飲み”に特化した店を初めてオープンした。目玉メニューは同店初の「串天」。江戸時代、露店で楽しまれていたという、串に刺した天ぷらだ。ほか、おつまみが多数用意され、アルコールの種類も増えるらしい。

ちょい飲み特化型てんや、どのような店なのだろう。気になった筆者は、さっそく東京駅近くにできた「ちょい飲み てんや(天丼 てんや 丸の内北口店)」に行ってみた。


「串天」でちょいと一杯…「ちょい飲み てんや」に行ってみた
「串天」でちょいと一杯…「ちょい飲み てんや」に行ってみた

店舗は、東京駅丸の内北口を出てすぐ、「味の散歩道」という飲食店街にある。改札を抜けてから、大手町方面に出て右手、高架下に見える店舗群の一番手前だ。店舗の外にはビールの看板と天ぷらの写真。ここだ、間違いない。

赤いちょうちんも目印になる
赤いちょうちんも目印になる

ちょい飲みができる16時以降、券売機は封鎖され、テーブルオーダー方式となるらしい。客席は、カウンターが12席とテーブルが18席ほど。4人で利用できるテーブルもあった。

客席に置いてあるメニューを見てみよう。やはり気になるのは串天。海老、いか、れんこんなど13種類(60円~、税込、以下同じ)がラインナップされている。だが、なんといっても、串天以外のメニューの充実ぶりに驚いた。「おつまみ・サラダ」から揚げ物類、なんと刺身まで、約30種用意されている。ポテサラ、玉子焼き、からあげ、フライドポテト、コロッケ、漬物…居酒屋といっても過言ではないバリエーションだ。また「串天3種」「まぐろのたたき」「いか刺し」「たこブツ」のいずれかと生ビールを組み合わせたセットメニュー(各780円)も用意されている。

アルコールは、生ビール(キリン)をはじめ、ホッピー、ハイボール、日本酒、焼酎、そして一部店舗では試験提供されているという“天ぷらに合うワイン”と、こちらも幅広い。

酒蒸し!? アヒージョ!?
酒蒸し!? アヒージョ!?

ドリンクも適度なバリエーション
ドリンクも適度なバリエーション

ひとまず、「まぐろのたたき」の生ビールセットと、串天3種(海老、なす、クリームチーズ)を注文した。天ぷら屋で刺身…と不安ではあったが、特に違和感なく食べられた。たっぷりのネギを混ぜ込んでねぎとろ風にするとおいしい。串天はもちろん、揚げたてなうえサクサク。天ぷらとビール、なかなか良いものだ。

解凍したてでシャリシャリ、なんてこともなかった
解凍したてでシャリシャリ、なんてこともなかった

左から、なす、海老、クリームチーズ。  クリームチーズ、オススメだ
左から、なす、海老、クリームチーズ。
クリームチーズ、オススメだ

ふとここで、筆者は妙な既視感にかられた。串に刺さった揚げ物とビール…どこかで見たことがある気がするのだ。そうだ、串カツだ。“二度づけ禁止”の、あの串カツだ。串カツを串天に置き換えれば、ほら。

うんうん
うんうん

最終的に、生ビールセットと串天3種、焼酎といぶりがっこを注文して、会計は1,810円だった。金額感は「普通の居酒屋」くらいだろうか。ちょい飲みの割に高いぞ…と思ったものの、振り返ると酒2杯と料理5種。決して高くない。2杯目に突入してしまった筆者が悪いのだ、きっと。

あくまで、ここはてんやだ
あくまで、ここはてんやだ

帰り際、一応レギュラーメニューも見ておくか…と開いて、生ビールセットの串天より明らかにお得なメニューの存在に気づいてしまった。ご存知の方もいるだろう、「天ぷら盛り合わせ」は6種の天ぷら(串天セットの倍ある!)がセットになって410円。生ビールを足すと810円となり、串天セットとの差はわずか30円だ。個人的には、串でなくても何ら問題ない。次回はこの組み合わせにしよう。“天ぷらとワイン”も試してみたい。

野菜天の盛りあわせもいいな
野菜天の盛りあわせもいいな

よく考えてみれば、ふらっと立ち寄れる焼き鳥屋や串カツ屋はあるのに、ふらっと立ち寄れる天ぷら屋はなかなかないように思う。気負わずに気軽に入れるのは、“ファストフードでちょい飲み”の非常に良いところだろう。