このお菓子、なんて呼びますか?
このお菓子、なんて呼びますか?

全国に数多(あまた)ある“ご当地ネタ”。愛媛県の「タルト」のように、地域限定で独特の呼び名を持つ食べ物も存在します。

さて、宮崎県のとあるスーパーで、細長くカットしたサツマイモを揚げて砂糖をからめた有名なあのお菓子を見かけました。ところが、パッケージには「かりんとう」の名が書かれていたのです。あれ?「芋けんぴ」じゃないの?


しかも「新物」て。  本当に揚げて砂糖をまぶしただけの素朴なやつで、めちゃくちゃおいしかった…
しかも「新物」て。
本当に揚げて砂糖をまぶしただけの素朴なやつで、めちゃくちゃおいしかった…

宮崎県では、芋けんぴのことを「かりんとう(または芋かりんとう)」と呼ぶのだとか。全県共通なのかは分かりませんが、私(筆者)が訪れた県南部の人に聞いてみると「昔からそうですよ」とのこと。また道の駅でも空港でも、芋けんぴが「かりんとう」として販売されていました。どれも県内のメーカーやお菓子やさんが手がけているようです。

では、短冊状にねった小麦を揚げて砂糖をまぶした、あっちの「かりんとう」はというと。これはこれで「かりんとう」と呼ぶようで、土産店には特産品のマンゴーを使ったものなどが売られていました。しかも「芋かりんとう」と並んで。

空港にて。ちょっと混乱
空港にて。ちょっと混乱

ちなみに、スーパーでは「芋けんぴ」も販売されていました。こちらの製造業者は高知県の会社。やはり「かりんとう」という呼称は地域を限ったもののようです。調べてみると、お隣の鹿児島県(サツマイモの生産量日本一!)でも、芋けんぴをかりんとうって呼ぶんだって。

原料のサツマイモは、焼酎づくりにも利用されている品種です
原料のサツマイモは、焼酎づくりにも利用されている品種です

余談ですが、実は私、お菓子のなかでもトップ3に入るくらいには芋けんぴが大好き。太さや食感、味付けにも色々なバリエーションがあるけれど、最も好きなのは高知県の「塩けんぴ」です。細めのサツマイモにからむ蜜は、絶妙な甘じょっぱさ。止まらなくなるんだよなあ。