各蔵の「仕込み水」が並ぶのも、イベントの楽しみのひとつ
各蔵の「仕込み水」が並ぶのも、イベントの楽しみのひとつ

一般的に、女性が好む日本酒、女性向けの日本酒として、甘めで飲みやすく、オシャレなボトルのものがよくあげられる。最近人気が上昇しているスパークリング清酒も、女性の間で人気。ほんのり甘いにごり酒も評判がよいといわれている。確かに、スパークリングやにごりの人気は高いし、果実酒への食いつきもいい。だが、初めはこれらばかりを飲んでいたものの、いろいろと飲み比べるうちに、いわゆる“男性好みの酒”にハマるようになったという声も。30代の女性は「いまは辛口のお酒が好きです」と酒をぐいと飲み干した。また郷酒フェスタの出展者によると、女性向けに持って来た銘柄が案外ふるわず、男性ウケがよいと考えていた銘柄の方が人気だった、という。「驚きました」と担当者は笑う。

凡庸な表現になってしまうが、結局のところ、好みは人それぞれ。ただ、“飲みやすい”酒が日本酒の敷居を下げ、活況を呈するイベントが日本酒に接する機会を増やしている、ということはいえるのではないだろうか。日本酒を“楽しむ”土壌は整いつつあるのかもしれない。

今回取材で訪れた2つのイベントは、どちらも秋の開催が決定している。秋のごちそう「ひやおろし」や「秋上がり(あきあがり)」が目玉となるようだ。ほかにも多数のイベントが予定されている。日本酒の飲み比べができる飲み放題の店も人気だ。何よりもお酒は楽しく飲むのが一番。日本酒と一緒に「和らぎ水」(要するにチェイサー)をしっかりと飲んで、くれぐれも飲みすぎないように注意されたい。自戒を込めて。