そんな熊本グルメの中でも、今回ご紹介したいのは「あか牛丼」。赤身が多く、柔らかさとうま味が特徴という熊本・阿蘇のブランド牛「くまもとあか牛」を使った肉丼です。
恥ずかしながら、実はあか牛丼の存在をつい最近まで知らなかった私(筆者)。ある日、ふとネット上で見つけた写真に釘付けになり…「なにこれ?食べたい!今すぐ食べたい!!」ということで、さっそく熊本へとフライアウェイしたのです。
● 想定外のトラブルに見舞われる
今回向かったのは、熊本・阿蘇にある焼肉店「よかよか亭 宮地店」。阿蘇くまもと空港からリムジンバスでおよそ1時間ほど走ると、JR 宮地駅のすぐ近くにあります。
お店に入り、さっそく「あか牛丼」(味噌汁・漬物付 1,500円)を注文。すると、店員さんが申し訳なさそうに「実は…業者の車が思わぬ渋滞に引っかかってしまったそうで、肉がまだ届いていないんです」と!おいおいウソだろ…!?
到着するまでにどのくらい時間がかかるかわからない、と恐縮そうな店員さん。これ誰も悪くない、誰も悪くない……けど!絶対食べたいんだよッ!これ食べるために朝から水しか飲まずに来たんだよぉぉ!! という必死さを全力で顔に滲ませ「来るまで待ちますので!」と伝えると、「ちょっと確認してきますね」と店員さんはバックヤードへと消えていきました。
数分後、小走りに戻ってきた店員さんが弾けんばかりの笑顔で「お客さま、ラッキーです!まさに今、肉が…肉が届きましたっ」とまさかのドラマ的展開!ああ、神様…!
それでは(前置きが長くなりましたが)、改めましてあか牛丼をオーダー。トッピングを1つ選べるというので、とろろ芋やニンニクチップが並ぶ中、1番人気だという温泉卵をチョイスしました。
● 念願のあか牛丼を食べる
「これから仕込んでお持ちします!」と告げられてから、ものの数分で運ばれてきたあか牛丼。全力でプリパレートしてくれたことが伝わってきます…ありがたや。
お盆には、フタをされたあか牛丼のどんぶりと、トッピングの温泉卵、冷や奴、お新香、なめことワカメのお味噌汁がのせられています。
どんぶりのフタをはずすと…そこには一口サイズにカットされ、断面をツヤツヤと輝かせるあか牛のレア肉たちが、まるでヒマワリの花のように豪華絢爛に並べられています!中央に敷かれたシソの葉にはワサビがちょこんと!
肉を口へ運ぶと、舌の上をツルリと滑るようになめらか!ほっぺたが落ちるほど柔らかく、噛むほどにうまみの汁があふれるみずみずしさ!それでいて脂っぽさのない、さっぱりとした赤身肉です。絡められたタレの甘辛さと、ほんのりスモーキーな香りも絶妙!
ごはんと肉のあいだにも細切りにしたシソが敷かれていて、スッと爽やかな風味が肉のくさみを見事に消してくれています。ワサビを肉にちょっとのせて食べると、つんと鼻を刺す香りがシソの風味とともに、肉のうまみをさらに引き立てるという合わせ技!
● 温泉卵で味がガラッと変わる!
半分食べたところで、トッピングの温泉卵をのせてみます。黄身をくずし、ごはん&肉に絡めてほお張ると…
…さすがは人気ナンバーワン。卵の存在、絶大です!とろける卵が、甘辛いタレにまろやかさとコクをプラスして、味がガラッと変わります。これをまとったごはんだけでも一生食べ続けられるくらいおいしいのに、さらに肉をのせて食べるという贅沢の極み。とろろやオニオンチップも間違いなくおいしいんだろうけど、やっぱり温泉卵は大正解でした!
ほっとする優しい味の味噌汁をすすり、箸休めにちょうど良いお新香をかじりながら、味わい豊かなあか牛丼をかきこむ幸せ。こんな幸せに浸れるのも、肉を運んでくれる業者さんがいて、手早く調理してくれるシェフがいて、それを出来たてのうちにサーブしてくれる店員さんがいるからこそ。たくさんの人のおかげでこんなにおいしい食事が味わえるんだなぁと改めて感じて、胸が熱くなりました。そしてもちろん、“命”をいただくということにも心から感謝。本当に「ご馳走」さまでした!
住所:熊本県阿蘇市一の宮町宮地2395-1