武蔵のこってりしたつけ麺もラーメンも大好きだけど、“わざわざ食べたくなる”ほどおいしい野菜のラーメンとは気になる。えん食べ編集部はさっそく、新宿へ向かいました。
「お待たせしました」と差し出された丼を見ると、1cm 弱のキューブ状にカットされた野菜が山盛り!緑、赤、オレンジ、黄、白と、器の中がとても色鮮やかです。
澄んだスープは琥珀色。麺はそうめんみたいに細めのものです。
まずは、ゴロゴロ野菜とスープをひとくち。んん!? 野菜の味がする…!陳腐な表現ですが“ちゃんと野菜の味がする”のです。
大根、かぶ、ニンジン2種(多分)、ジャガイモ、ゴボウ、何か分からないけどおいしいやつ3種くらい…多くの種類が入っているのに、噛んだ瞬間に各野菜の香りがふわっと広がり、それぞれの味をしっかりと感じられるのです。食感も、シャクシャク、シャリッ、ホクホク、サクッ。さまざまな固さが入り乱れているのに見事なハーモニーを奏でています。
スープは、塩ラーメンとコンソメスープの中間みたいな味わいです。“動物系”の素材は使われていないのにコクがあり、一般的なラーメンに見劣りしません。むしろ、野菜の甘さがとけこんでいて深みがあります。
麺を食べ終えて器を見ると、なんだ、ただの野菜スープじゃないですか!でも、“ただの野菜スープ”として食べたいくらいおいしい、野菜のための一杯でした。
店員さんに作り方を聞いてみました。まずはスープ。昆布やシイタケ、ドライトマト、乾燥ポルチーニ茸などでとった出汁に、葉野菜や、野菜をカットしたときの切れ端を加えて深みを出し、さらに薄くスライスしたニンジンを乾燥させたものを“追いがつお”のように加えているそうです。あわせる油は米油。同じく海老原ファームでとれた鷹の爪を入れて、少し辛さを加えてあるのだとか。
さらに手間がかかるのが“野菜のカット”。確かに、さまざまざ種類の野菜を同じ大きさに切りそろえるのってとても時間がかかりそう。しかも、野菜にあわせて、蒸す、ゆでる、炒めると、下処理の仕方を変えているそうです。生の野菜もあります。だからこそ、この食感のハーモニーを作り出せるのでしょう。
ちなみに、使用する野菜は入荷によって変わるとのこと。出汁に使う野菜も、トッピングのカット野菜も、その日次第。訪れる日によって異なる“大地の味”を楽しめるのも、野菜が主役のラーメンならではかもしれません。
提供は5月上旬までの予定、1日10食限定です。通年で食べられたら、“季節の味”を楽しめて面白いのに…とちょっぴり残念に思いつつ、期間の終わり頃にまた来ようと店を後にしたのでした。