そんな舞鶴市から、“市外初”だというご当地グルメ「舞鶴かき丼」が期間限定で東京にやって来た。親子丼みたいな丼を想像しながら食べに行ってみたところ、想定外の事態が筆者を待ち受けていた。

舞鶴かき丼は、特産品のカキと「舞鶴かまぼこ」を組み合わせたメニュー。10年ほど前から市内の各飲食店で販売されているらしい。「舞鶴産のカキを5個以上と舞鶴かまぼこを使うこと」そして「カキのぷりぷり感を損なわないこと」と、ちゃんと条件もある。真牡蠣(マガキ)が採れる12月~3月を目安に提供されており、親子丼のような味付けの“正統派”を中心に、あんをかけた中華風など、オリジナリティのある丼が楽しめるそうだ。また夏場(およそ6月~8月)は、大きな岩牡蠣(イワガキ)を使った「岩かき丼」になるのだとか。どれも舞鶴市内限定のメニューだった。
このほど都内で発売されたかき丼は、市外初のこころみ。筆者は、かき丼を食べられる、オイスターマーケット牡蠣市場 とうきょうスカイツリー駅前店へ向かった。

かき丼を注文すると、出て来たのは“親子丼”ではなかった。トマトを混ぜたライスのうえに、カキとキノコのガーリックチーズソテーがのった“イタリアン丼”。「イタリアンオイスターボウル」(980円/1日20食限定)というオシャレな丼だったのだ。
チーズのコクやニンニクの香りが、カキの濃厚な味わいとよく合っている。キノコの食感もいいアクセント。タバスコをかけると、ぎゅっと味が締まる。

だが、筆者を襲った衝撃は、この「思っとったんとちゃう(思っていたものと違う)」メニューではない。さりげなく(?)散らしてある「かまぼこ」だ。これがめちゃくちゃウマかったのだ。
というわけで、ぜひともおすすめしたいのが、同じく期間限定で提供されている「舞鶴練物食べ比べセット」(480円)。さつま揚げ(関西では「てんぷら」と呼ぶことが多い)2種と、焼きかまぼこを食べ比べできる。

きゅっと歯ごたえがあるのに、ふんわりと柔らか。生のすり身をたくさん使っているそうで、そのザラザラした舌ざわりも感じられる。ほのかな甘みも心地よい。そのままでももちろんおいしいが、サッと焼くと香りが増してさらにおいしいので、ぜひ店員さんに尋ねてみてほしい。

コイツにはとんでもなく日本酒が合う。舞鶴市唯一の造り酒屋・池田酒造の「特別吟醸 池雲(いけくも)」(1合850円)を頂いた。これも期間限定の一品だ。ランチタイムでも注文できるそうなので、時間なんて気にせずくいっといってしまおう。かまぼこと地酒の組み合わせは、取材の目的がかき丼であることを忘れるくらいにおいしかった。
イタリアンオイスターボウルをはじめとする“舞鶴メニュー”は、3月31日まで提供される予定。いまはまだ小ぶりなカキだが、これから大きくなって食べ応えも増すそう。だが、筆者はかまぼこを再プッシュしておきたい。持ち帰り用に販売してくれないものか…。
※表記価格は税込み