だが、デザイン会社 nendo を運営するチーフデザイナー・佐藤 オオキさんが発表した「chocolatexture」はちょっと違う。同じ原材料でも「形」を変えることで、味に変化をもたらすチョコレートを作り上げたのだ。

「chocolatexture」は、“形状”が味の変化を生み出す9種類のチョコレート。すべて26×26×26mm 内に収まるサイズだが、先端がとがっていたり、内部が空洞だったり、表面がザラついていたり…と、形を変えることでひとつひとつの食感に変化を与えた。
たとえば、たくさんの粒子が集合した形の「tubu-tubu(つぶつぶ)」や、先端が尖った鋭利な形の「toge-toge(とげとげ)」、たくさん穴が空いた「fuwa-fuwa(ふわふわ)」、4周が線状の骨組みのような形をした「poki-poki(ぽきぽき)」などがある。

なお、「chocolatexture」を発表した佐藤さんは、フランス最大のインテリア・デザイン展示会 Maison et Objet において Designer of the Year を受賞したそうだ。
同イベントの公式サイトで公開されている受賞インタビュー動画の中で、佐藤さんは次のように話している。
「たとえば僕は、同じカフェやラーメン店に通い、毎日同じものをオーダーします。するとあるとき、微妙な違いに気付く。それがきっかけとなって、新しいデザインのアイデアがひらめくんです」

(出典:Maison et Objet 公式サイト)
一見同じに見える日常の中に存在する、小さな変化。そこから受けたインスピレーションを形に変えて、世界にただひとつの“作品”を生み出すという感性はまさにプロフェッショナルだ。

残念ながら「chocolatexture」の日本国内での販売は予定されていないようだが、どんなチョコレートでも形の違いを感じることはできる。今度チョコレートを食べる際には、フレーバーだけでなく形や食感の違いにも注目して味わってみてはいかがだろうか。
※編集部追記:日本国内でも、西武・そごう13店舗のバレンタインチョコレート特別商品として1月24日より数量限定販売中とのこと。価格は9個入り5,400円、3個入り1,944円、いずれも税込。取扱い店舗は以下のとおり。
・西武
池袋本店
渋谷店
船橋店
所沢店
筑波店
東戸塚店
春日部店
小田原店
・そごう
横浜店
千葉店
大宮店
川口店
柏店
※特別に表記のあるものをのぞき、画像の出典はすべて nendo 公式サイト(photos by Akihiro Yoshida)