名物の陰の“ひそかな名品”を紹介する連載。26品目は、「牛たんねぎし」の「土鍋和風シチューセット」。
ねぎしは、牛タンをはじめ、カルビや豚ロースなどの焼肉セットメニュー(定食)を中心に提供するお店。とろろが付く点、ご飯が「麦めし」である点が特徴的。都内に34店舗、神奈川・横浜に3店舗を展開している。
今回紹介する「土鍋和風シチューセット」は、牛肉と野菜の和風シチューをメインとした定食。焼肉のセットに付くとろろとテールスープは付かないが、代わりにサラダが付く。価格は1,320円(税込)。
ねぎしに行く際は基本、「焼肉が食べたい時」。そんな時にメニューを見て、「シチューにしよう」とはなりにくい。よって、その存在を認識していながら未経験の人も多いと思われる。
しかしこのシチューセット、真夏でも引っ込むことなくグランドメニューに載り続けている。一定の人気を保っている証拠ではないだろうか。食べてみることにした。
グランドメニューではあるが、ランチタイムでもオーダーできた土鍋和風シチューセット。シチューの入った土鍋は熱々で、もうもうと湯気が立ち上る。
口にすると、複雑な深みのある味わいを広げるシチュー。牛の旨みがたっぷりと溶け込んでいる。
和風ということで、欧風シチューのような小麦によるもったりとした重さはない。味に深みはあるがあと味はさっぱりとしている。とろみのある口あたりは、溶け込んだ野菜によるものだ。
具の野菜(ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ)もさぞかし柔らかく煮込まれているであろう…と思ったが、こちらは程よく食感の残る火通し。素材自体の風味も楽しめる。シチューベース用と具材用とで野菜を入れるタイミングを分けているのだろう。
ごろっと大きい牛肉は、繊維に沿ってほろっと抵抗なくほぐれる。それでいてそれぞれのかたまりは噛みごたえがあり、噛むほどに肉の旨みをしみ出させる。画像のサイズのものがふた塊ほど入っていた。
特筆すべきはご飯との相性。筆者は「シチューにご飯は合わない派」だったが、この和風シチューはご飯に“ひたっ”としみいって良く合う。また熱々ではあるが水分が多くさっぱりとした味わいなので、今のような暑い時期にも抵抗感なく食べ進めることができた。
なお土鍋メニューにはもうひとつ、「土鍋ハンバーグセット」(税込1,000円)なるものも存在する。こちらも機会があれば試してみたいところだ。
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