「カップ焼きそばって、“焼き”そばなの?」
これって、1974年のカップ焼きそば登場当初に、みんなが抱いた疑問です。「焼いていないから、“焼きそば”と呼んじゃだめでしょ?」「煮ているから、“煮そば”とか“茹でそば”が正しいのでは?」「ていうか、あの器って“カップ”じゃないよね?」などなど、多くの人がその名称に異議を唱えたものです。
この疑問に対し、納得のいく解答を出した人は(たぶん)まだいません。私もいろいろと考えてみたのですが、どうどうめぐりをするばかり。
そんなときには現場にでるのが一番!自分自身がカップ焼きそばになって考えてみれば、答えがでるかもしれませんよね?
というわけで、よみうりランドに3月18日にオープンする「FOOD factory」のプレスプレビューにでかけ、「スプラッシュU.F.O.」でカップ焼きそば気分を味わってきました。伸ばされたり、切られたり、油で揚げられたり、水をかけられたり、ターボ湯切りされたりでしたよ!
■ 日清焼そばU.F.O.になってみた
「スプラッシュU.F.O.」は、日清焼そばU.F.O.の製造・調理工程をゴムボートに乗りながら体感できるアトラクション。ボートに乗って、「小麦粉を練る」「製麺」「味付け」「瞬間湯熱処理」「冷却」「包装」といった製造工程を辿っていきます。製造後は出荷され、「FOOD factory」の屋外に設置された大迫力のやかんからお湯をかけられる気分を味わうことも!アトラクション中には、手元にあるボタンで、「ケトラー」を退治する映像シューティングゲームも楽しめます。
「ヤキソバン」の協力のもと開発されたという、4人乗りのビークルに乗っていざ工場へ潜入です。
◆ 小麦粉を練る
まずは小麦粉を練る工程からスタート。頭上のモニターには小麦粉が練られる様子が映し出され、小麦粉と一緒にビークルもぐるぐると回されます。結構ガチで回してくるので、苦手な方は持ち手にしっかりつかまった方が良いかも。手元のボタンで、製造の邪魔をしてくるケトラーを攻撃するのも忘れずに。
◆ 製麺
次の工程は、麺の“圧延”。頭上で練り上げた麺の生地が延ばされるのに付随して、ビークルはベルトコンベアにのってゆっくり上昇していきます。延ばされた生地が切り分けられ、麺の出来上がりです。
◆ 味付け
“味付け”は急降下で表現。暗闇の中なので、よりスリルを味わえます。思ったより水しぶきがかかって、顔面から足元までびしょびしょに。水しぶきを全身で浴びることで、味付けされる麺の様をリアルに体感できました。
◆ 瞬間湯熱処理
続いて、麺を油で揚げる“瞬間湯熱処理”の工程へ。ここでもケトラーが、油の温度を下げて製造を邪魔してきます。
◆ 冷却
ビークルは急流の中を回転しながら落ち、“冷却”されていきます。猛スピードで落ちていくので、大人でも十分楽しめるほどスリリング。思わず麺の気持ちになって、「他に冷やす方法あるだろ!」と突っ込みたくなりました。
◆ 包装
製造工程のラストは“包装”。頭上には逆さまになった大きなカップが登場し、器に入れられます。最後にのりなどの薬味がかけられれば完成です。
◆ 調理
完成したカップ麺は、一旦屋外へ出て出荷され、調理の工程へ。「FOOD factory」に入る前にひときわ存在感を放っていた巨大なやかんからは、お湯が放出されており、お湯をかけられる麺の気持ちが味わえます。
◆ ターボ湯切り
お湯が投入された後は、食べる際にお馴染みの“ターボ湯切り”。大きなU.F.O.の湯切口からお湯が出てくる様子が間近で見られます。しっかりお湯を切れば、おいしい「日清焼そばU.F.O.」の出来上がり。たちのぼる湯気からは、ほのかな焼きそばの香りが感じられるかも(?)
■ 日清焼そばU.F.O.になって考えたこと
延ばされたり、油であげられたり、お湯(?)をかけられたりが楽しめる「スプラッシュU.F.O.」。気分はすっかり、日清焼そばU.F.O.ですが、「焼いていないのに、焼きそばはありなのか?」に対する答えは見つかりませんでした。
でもね、よく考えると、実態と合っていない名前の付いたものって、たくさんありますね。焼いてないのに「焼豚(チャーシュー)」とか、粉じゃないけど「歯磨き粉」とか。あと、皮製じゃないのに「つり皮」とか、下駄が入っていないのに「下駄箱」などです。
そう考えれば(どう考えた?)、「焼いていないけど、焼きそば」があっても、それはそれで良いような気がします。
これが、自ら焼きそばになり、ずぶ濡れになって考えた私の結論です。
さてこのスプラッシュU.F.O.、基本はお子様向けの乗り物。でも、途中には急降下ポイントもあり、水しぶきでずぶ濡れにもなれるので、大人でも十分楽しめるはず。暑い夏の日や今日は濡れたいな、という日にはぴったりですね。カップルやファミリーはもちろん、人間をやめたくなった時に独りで乗ってみるのもアリかもしれませんよ。
住所:東京都稲城市矢野口4015-1