すしの竜宮城は、大分県佐伯(さいき)市にあるすし店「錦寿司」でつくられている、お取り寄せ用の商品です。冷蔵で配送されるのですが、“炙り”や“焼き”などひと手間を加えることで、日持ちするよう工夫しているのだとか。
いくつかサイズがあるうち、「姫」(2~3人前)と「錦」(4~5人前)をみんなでいただきました。鯉形のすしのほか、まんまるなまりずしや、色鮮やかな箱ずしなどが詰めあわされています。この日のネタは、エビ、タイ、アナゴ、サケ、タコなど。素材の色を生かした華やかな盛り合わせは圧巻です。
そんななかでもひときわ異彩を放っているのが、やはり錦鯉をかたどった姿ずしです。上から見ると、赤、黒、黄(茶)と3色が混ざり、美しい模様を表しています。これ、シャリの上に、ウニやサケ、昆布などをのせ、薄く切ったイカをかぶせて作られているのです。ひらりとたゆたう尾やひれも美しいですよね。
見た目だけでなく味も美しい。それぞれの素材がからみあい、絶妙なハーモニーが生まれます。一般的な握りすしとはまた違い、アートな味わいを楽しめます。
ちなみにこのすし、冷蔵なのにシャリが固くなく、パサパサしません。むしろネタとシャリがしっくりとなじんで、一体感が生まれてるような気が。長年の経験により生み出された手法の賜物なのだそうです。
豊後水道(大分県と愛媛県の間の海峡)に面する佐伯市は、すし店の宝庫。新鮮でおいしい“佐伯寿司”を求めて、全国から人々が足を運びます。魚の量も種類も豊富で、すしネタのほとんどを地元で仕入れられるのだとか。すしの竜宮城をつくっている錦寿司もここにあり、予約をすれば、店舗でも錦鯉の姿ずしなどを食べられるそうですよ。
注文は電話、FAX、および「丹匠」のウェブサイトから。発送日の翌日が消費期限のため、配達可能な地域は限られています。でも現在、配達不可能な地域にもどうにか届けられないかと奮闘中なのだとか。
箱をあけたとたん、誰もが驚いて感動することうけあいのアートなすし。お祝いやパーティーの席にいかがでしょう。贈り物用に注文する方も多いそうです。
ちなみに、佐伯には「ごまだしうどんの素(通称ごまだし)」というおいしい名物があります。佐伯湾でとれた魚を焼いてすり、たっぷりのゴマを加え、しょうゆやみりんなどで味付けしてある一品。地元では、ゆでた麺にごまだしをのせ、熱湯を注いで食べる「ごまだしうどん」として親しまれています。
漁村女性グループ・めばるがつくったごまだしは、テレビで紹介されるや、500件以上のオーダー待ちが発生するほど注文が殺到。大、大、大、大注目の調味料なのです。ほかのメーカーがつくっているものもあるので、見かけたらお試しあれ! 佐伯の海の恵みたっぷりです。