■ 1本で3度おいしい!

特別に、オーブンから取り出したばかりの“正真正銘の焼きたて”を試食させてもらいました。ほどよく焼けた外側に対して、内側はとろっとろ! ガツンと立ちのぼるカカオの香りに包まれながら口に入れると、ほろりと溶けて消えていきます。甘さ控えめに感じるのはアツアツの焼きたてならではでしょう。時間を置いて全体がなじむと、あのしっとりとした食感が生まれるのです。


カカオの香りがたまりません
カカオの香りがたまりません

このガトーショコラ、常温で食べるとしっとり濃厚。冷やすと話題の“テリーヌショコラ”みたいにねっとり! 温めるとフォンダンショコラみたいにとろけるスイーツに変身します。この“1本で3倍おいしい”食べ方は、お客さんのアイデアから誕生したそうです。「冷やして食べるとおいしい」と聞いたときは、「なぜ焼きたてのものを冷やしてしまうんだ!」とショックを受けたそうですが、試してみたと ころ、意外といけるなと驚いたのだとか。

常温でも、これだけしっとり
常温でも、これだけしっとり

■レストランのキッチンでハンドメイド

ガトーショコラ専門となったいまも、旧レストランのキッチンで毎日手作り。製菓用の大きなオーブンもないため、1回に焼けるのは11個だけです。

かつて人気メニューだったパスタの麺をゆでる機器はフタをされ、その上に材料の入ったボウルが並びます。泡だて器で材料を混ぜて型に流し込み、焼きあがったらクッキングシートごと箱にポン。こうして“焼きたて”がお客さんの手に渡ります。

早めの時間に行くと、作っているところが見えるかも
早めの時間に行くと、作っているところが見えるかも

通信販売はなく、店舗と一部百貨店でしか購入できません。それでもこの味を求めて、日本全国からお客さんが足を運び、ときには国外から訪れる人もいるそうです。バレンタインを控えた取材日、かつて客席だったテーブルには、予約者向けのガトーショコラが山のように並べられていました。プレゼント用?それとも自分用?なんていらない邪推をしつつ、お客さんを見つめる氏家さんの目が嬉しそうだったのが印象的でした。

■ホワイトデーの大本命

チョコレートといえばバレンタイン。でも実は、より市場規模の小さいホワイトデーにたくさん売れるそうです。まとめ買いする男性も多いとか。ホワイトデーの大本命といってもいいかもしれません。

記事執筆時点では、2月22日受け取り分以降の予約を受け付けているとのこと。プレゼントに困っている皆さん、ぜひこの“日本一のガトーショコラ”を選択肢に入れてみては。きっと誰もが「おいしい!」と感動してくれるはずです。

【店舗情報】
KEN'S CAFE TOKYO(ケンズカフェ東京)
営業時間:10時~21時
※テイクアウトのみの限定生産なので、予約がおすすめ
KEN'S CAFE TOKYO(ケンズカフェ東京)
住所:東京都新宿区新宿1-23-3