静岡県富士市の名物「ようかんぱん」をご存知ですか?同県内の学校給食パンなども作っているという地元のパンメーカー「富士製パン」から販売されている菓子パンです。静岡駅のキヨスクで発見し、思わず買ってしまいました。

これが“富士名物”ようかんぱんだ!
これが“富士名物”ようかんぱんだ!

● ようかんぱん

ようかんぱんは、粒あんを包んで焼き上げたパンにようかんをかけ、バニラクリームをトッピングして仕上げられたもの。価格は194円(税込)です。1956年(昭和31年)から販売されている(!)という超ロングセラーで、年齢にして私(筆者)の親と同期ぐらいなので驚きました。


パッケージにデザインされているのは“ようかんぱんだ三兄弟”
パッケージにデザインされているのは“ようかんぱんだ三兄弟”

パッケージに「3つの味が楽しめる」と書かれてあるとおり、とろける口どけのバニラクリーム、ほっくり甘い小倉あん(粒あん)、どこか懐かしいようかんの味わいが楽しめます。

天面を覆うようかんはしっとりとした口あたり。噛むとサクッと歯切れよく、甘さは控えめです。中も外も“あずき”なのでガッツリ甘いのかと思いきや、良い意味で期待を裏切られました!

素朴でやさしい味わいにほっこり
素朴でやさしい味わいにほっこり

ちなみにパッケージにはようかんぱんの誕生秘話も書かれていて、

「物資の乏しい時代に高価だったチョコレート、その代わりに色の似ているようかんをかけてみた…と、当社二代目が申しております。今ではようかんの方が高価かも…」

とのこと。なるほど歴史を感じますね。奇をてらったわけではなく、その当時身近だった素材を組み合わせたというところにますます好感が持てます。

● 白いようかんぱん

10月から2月までの季節限定で「白いようかんぱん」も販売されています。クロワッサン生地で白あんとくるみ、バタークリームを包み込み、上から白いようかんをかけたもの。構想に5年、試作に3年かかって2014年に初めて発売された商品だとか。価格は226円(税込)です。

クロワッサンとようかんぱんのハイブリッド
クロワッサンとようかんぱんのハイブリッド

ふわっふわのクロワッサンをほお張ると、ほっくり甘い白あんと、とろけるバタークリームが混ざり合って極上の口どけに。サクサク香ばしいくるみも活躍して食べごたえがあります。最後に口の中に残るようかんが、控えめながらも尾を引く甘さを演出。ようかんぱんに比べて生地自体もバターリッチな味がするので、冬にぴったりの濃厚なおいしさが楽しめるかと。

ちなみにこれ、2015年10月に開催された「第6回 日本全国ご当地パン祭り」の人気投票で3位を獲得したそうですよ。

真ん中の穴のサイズもようかんぱんとは微妙に違うんですって!
真ん中の穴のサイズもようかんぱんとは微妙に違うんですって!

ようかんぱんを知らなかった方も、知ってはいたけれどなかなか手を出せずにいた方も、もし見かけたらぜひ食べてみて。60年ものあいだ地元で愛され続ける理由がきっと分かるはず!