
Black Ivory Coffee のコーヒー豆となるのは、高品質なアラビカ種のコーヒーの実(チェリー)。これが、ゾウの餌の一部として与えられる。コーヒーの実はゾウの体内を旅した後に糞となって排出され、Black Ivory Coffee の原材料となるという。
だが、なぜゾウに食べさせる必要があるのだろうか?そこには、科学的な根拠があるそうだ。同ホテルのプレスリリースには、次のようにある。
「研究により、ゾウの消化酵素によってコーヒーチェリーのタンパク質が分解されることがわかった。タンパク質はコーヒーの苦みの原因の1つであり、それが分解されることで苦みを減らすことができる」
ゾウの糞として排出されたコーヒーの実は、糞の中から「手摘み」によって取り出され、天日干しで乾燥され、コーヒー豆に加工される。こうして作られたコーヒー豆は、1キロあたり1,100ドル(約8万7,000円)で取引されているという。
現在のところ、Black Ivory Coffee はタイの他、モルジブにある4軒の Anantra ホテルでしか味わうことはできない。では、Black Ivory Coffee はどのような味なのだろうか?
Black Ivory Coffee を試飲した Garret さんは、次の感想を米国メディア CNN Go のコメント欄に寄せている。
「その味は心地良く、予想外のもので、チョコレートやナッツ、レッドベリーを味わっているような気分になった。普通のコーヒーのような苦みはまったくなく、口当たりはとてもまろやかだった」
なお、Black Ivory Coffee の売上の一部は、タイのゾウ保護センター維持に活用されているということだ。
