ここ数年ですっかり定番となりつつある、濃い味トレンド。“濃厚”や“しっかり”といったワードを見かけることも多くなりましたよね。薄味よりも濃い味が流行るのはなぜ?という疑問に対し、この背景には現代人が抱える「ストレス」との関連性があるのでは?と考えたトレンド総研がアンケート調査を実施し、レポートを発表しました。

調査は性別・年代別に均等に割り付けた20代~50代の男女 500名に対して行われました。テレビやインターネットなどで、「“濃い味トレンド”に関する特集を見たことがありますか?」とたずねたところ、「見たことがある」と答えた人は31%と、3人に1人の割合。さらに、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで、「“濃い味”を謳う商品のラインアップが増えたと感じますか?」と聞くと、50%が「感じている」と答え、半数の人が、普段の買い物の時から“濃い味トレンド”を実感しているということも明らかに。


また、こうした“濃い味トレンド”の広がりに対して、一般の消費者の購入がどの程度進んでいるのかについても調べるために、「“濃い味”を謳う商品を、実際に購入したことがありますか?」と聞きました。この質問には、「覚えていない」という人を除くと、65%が「購入したことがある」と回答。実際に、「“濃い味”のものが食べたくなる時がありますか?」とたずねると、「ある」と答えた人は64%にのぼりました。ニーズの大きさが伺えますね。

 人気の“濃い味トレンド”とストレスとの関係とは?―トレンド総研発表
人気の“濃い味トレンド”とストレスとの関係とは?―トレンド総研発表

このように、メディア、市場、消費者と、いずれにおいても広がりが見られた“濃い味トレンド”ですが、そもそも“濃い味”を食べたくなるのはどういった時なのでしょうか。“濃い味”が欲しくなると言われる代表的なシーンとして、「疲れた時」というのがあります。トレンド総研では、今回、濃い味を欲しくなる1つの要因として、“ストレス”との関連性を探りました。

ストレスを「非常に頻繁に感じている」、「頻繁に感じている」と答えた人を合わせた「ストレスの多い人」と、「あまり感じていない」、「全く感じていない」と答えた「ストレスの少ない人」に分けて、濃い味に関する質問の結果を比較。

まず、それぞれのグループについて、「濃い味のものが食べたくなる時がありますか?」という質問に「ある」と答えた人の割合を調べると、ストレスの多い人では68%であったのに対し、ストレスの少ない人では45%。20%以上の大きな差が生じる結果となりました。

こんなに差が出るとは正直驚きですねえ…
こんなに差が出るとは正直驚きですねえ…

また、「濃い、濃厚などのワードが入った商品は、それだけで通常のものより魅力的に感じる」という人は、ストレスの多い人では、49%と、およそ半数。一方、ストレスの少ない人では、28%にとどまりました。驚きの結果ですね…。

認知科学者の苫米地氏によれば、ストレスとリラックスは1セットであり、ストレス状態ばかりが続くと、人は本能的に濃い味を求めるようになるとのこと。リラックス状態を導くのは簡単なことで、「安らぎ」というイメージで思いつくことをすれば良いだけだそうです。ううむ。

濃い味商品の中でも“安らぎ”をもたらしてくれるものを選べばリラックスできる…のでしょうか? 濃い味は濃い味でも、ガッツリ濃厚男飯!みたいなものではなく、ミルクの濃いあったかい飲み物なんかが良さそうな気がしますね。何気なく濃い味を選んでるあなた、もしかしたらストレス溜まってるのかもしれませんよ、ご注意あれ!