ノンアルコール飲料、飲んでいいのは何歳から?--消費者意識調査
ノンアルコール飲料、飲んでいいのは何歳から?--消費者意識調査


アルコールを含まないアルコール風味の飲料、いわゆる「ノンアルコール飲料」。ビールやカクテル、ワインやチューハイなど、多様な味やのどごしが忠実に再現されています。このノンアルコール飲料は種類には該当せず、未成年が摂取することに対して少なくとも法律上の問題はないといいます。また、完全なノンアルコール飲料は発育を阻害するなどの健康上の弊害もないとされているそうです。

「ノンアルコール飲料を未成年に飲ませてもいいのか」という声を聞くことも多いですが、そのような問い合わせに対し、メーカー各社は「未成年者において本物のアルコール摂取を誘発する恐れがあるため、20歳未満の飲用は控えてほしい」と回答しているそう。


ノンアルコール飲料とはいっても、スーパーやコンビニなどでは酒類コーナーに陳列されており、販売時に年齢確認をするところも多い。このように、とても曖昧な位置に存在する“ノンアルコール飲料”ですが、消費者は、何歳から飲んでもいいと考えているのでしょうか?

■未成年でも肯定する人は多い

第一生命経済研究所が公開しているライフデザインレポート「賛否両論、未成年者とノンアルコール飲料」では、未成年の子どものいる30代・40代の男女1,200人に対して実施したアンケート調査の結果を発表しています。

これによると、「何歳くらいからノンアルコール飲料(完全なノンアルコール飲料)を飲んでもよいと思うか」を尋ねた調査で、最も回答が多かったのは「20歳以上(飲酒と同じ扱い)」(35.7%)だったそうです。しかし「大学生(18~19歳くらい)」も僅差の32.3%で、「高校生(15~17歳)」とした人も17.3%いたとのこと。未成年でも年齢が高いほど肯定する人は多いものの、その意識は分散しているようです。

何歳くらいからノンアルコール飲料(完全なノンアルコール飲料)を飲んでもよいと思うか(全体・性別・年代別)
何歳くらいからノンアルコール飲料(完全なノンアルコール飲料)を飲んでもよいと思うか(全体・性別・年代別)



■「未成年飲用」肯定派と否定派、それぞれの意見

ノンアルコール飲料を乳幼児(0~5歳くらい)大学生(18~19歳くらい)で飲んでよいと回答した人に対して、未成年がノンアルコール飲料を摂取することについて尋ねた結果、「法的にも発育的にも問題がないので問題はないと思う」「子どもが飲みたがれば、ダメという理由はないと思う」とする人が3割強を占めたそうです。

未成年でノンアルコール飲料を飲んでよいと考える理由(全体・性別、複数回答)
未成年でノンアルコール飲料を飲んでよいと考える理由(全体・性別、複数回答)



一方、ノンアルコール飲料を飲むのは20歳以上からと考える人の意見をみると、「未成年のうちから飲酒の習慣をつけるのはよくないと思う」(65.9%)、「本物のアルコールへの関心を高めてしまうと思う」(56.5%)、「大人と子どものけじめをつけるべきだと思う」(41.6%)といった意見が上位を占めています。2位以下では、男性に比べて女性の回答が多い点が特徴的で、自由回答でも「ノンアルコールビールで酔う」とする女性がおり、飲酒のイメージや雰囲気だけで酔う感覚を持つ人がいる点も示唆されています。

ノンアルコール飲料を飲むのは20歳以上と考える理由(全体・性別、複数回答)
ノンアルコール飲料を飲むのは20歳以上と考える理由(全体・性別、複数回答)



今回の調査レポートにより、ノンアルコール飲料について様々な見解があることが明らかとなりました。法律上の規定はないがモラルの問題として許可・禁止が行えない、というものは多くありますが、このノンアルコール飲料に関しても、年齢や状況に応じて各家庭で話し合い、明確なルールを作っておいた方がいいのかもしれませんね。