
米国メディア Fast Company によると、「Catalytic Clothing」は洗った衣類をナノサイズの二酸化チタンでコーティングし、空気中の有害なスモッグを取り込んで無害の物質に変えてくれるという洗濯洗剤。
これと同様の原理は今までも建物や道路に使われてきたが、洋服に使う方が実はメリットがあると、Catalytic Clothing の開発者のひとりである London College of Fashion(ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション)の教授 Helen Storey 氏は話す。
「洋服の繊維をすべてほどいて広げたら、テニスコート1面分にもなる。また、コーティングされた服を着て歩き回ることで、より広い範囲の空気を“浄化”できる」(Storey 氏)

さらに同メディアによると、Catalytic Clothing で洗ったジーンズは、周りの空気中の80%の一酸化窒素を取り除くことができると算出されたそうだ。だが Storey 氏は「メリットを得るのは着ている本人ではなく、その後ろを歩く人だ」と話す。自分よりも他人にメリットがある商品を、どうやって販売促進していくかがもっかの課題だ。

さらに別の問題として“香り”も挙げられるという。洗濯した衣類から石鹸のような爽やかな香りがすると、心理的に「きれいになった」と感じられる。そのため多くの人は“香り”で洗剤を選ぶが、Catalytic Clothing にはこの香りがないのだ。
Storey 氏は、大気汚染に大きな問題を抱え、かつ洗剤の香りにあまりこだわりのない中国で、まず Catalytic Clothing のマーケティングを始めたいとしている。
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