「青いラーメン」が食べられるのは、旗の台駅(東京都品川区)東口を出てすぐのところにある、ラーメンカフェ・美容「BumBun BLau Cafe with BeeHive(ブンブンブラウ カフェ ウィズ ビーハイブ)」。…ラーメン“カフェ”?美容?よく分からない。ビル入り口の看板には「氷」ののれんまでぶら下がっている。
階段を上がって入り口に着くと、カフェというよりバーの入り口のよう。中に入ると、太陽光がたっぷり入る明るい空間だった。白を基調としたテーブルや植物でオシャレにまとめられている。テーブル席の奥にはカウンター席も。
さて、運ばれてきたラーメンを見てみよう。白い器の中に淡い青色のスープが入っている。本当に青い。だが、食欲がなくなるようなどぎつい青色ではない。むしろオシャレな雰囲気すら漂っている。
青いスープを飲んでみると、非常にさっぱりとした塩スープだ。油っぽさはないがコクが感じられ、冷たさもあってするりとのどを通っていく。麺は細めで、やや緑がかっている。のどごしがよい一方でもちもちとした食感もあり、細いながら食べ応えがある。
メニューを考案した斎藤直樹さんによると、青いスープの正体は、藻類の一種「スピルリナ」から抽出した色素。麺にもスピルリナが練りこまれているという。
スピルリナは、たんぱく質をはじめ、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維、不飽和脂肪酸など50種類以上の栄養成分を含んでおり、“スーパーフード”といわれている。「青いラーメン」が“体にいい”といわれている理由はここにあったようだ。
ちなみに、スピルリナをそのまま食べると抹茶のような苦味があるそうなのだが、「青いラーメン」では麺もスープも全く気にならなかった。
トッピングは、ネギの輪切りのような白いものとクレソン、白髪ネギがたっぷりのった3枚の肉。
ネギの輪切りのような白いものは、これまたスーパーフードとして名高い「アサイー」の新芽で作ったピクルスなのだとか。歯切れがよくシャキシャキとした食感で、酸味があっさりしたスープとよく合う。
肉は、鶏肉のコンフィ、低温調理した鶏肉のチャーシュー、そして沖縄県産アグー豚のローストが1枚ずつ。どれもあっさりとしており、冷たいラーメンの味わいを邪魔しない。食感の違いを感じながら食べ進めてほしい。
気づけば麺と具を食べきっていた。器に残ったスープのあまりの鮮やかさについ手を止めてしまったが、食欲のないときでもさっぱりと食べられそうな夏らしい一品だった。
もちろん通常のラーメンもあり、「アグー豚の醤油らーめん(温・冷)」「アグー豚の塩らーめん(温・冷)」が楽しめる。
ところで「青いラーメン」といえば、東京・日本橋で食べた記憶のある人がいるかもしれない。実は斎藤さんは、「青いラーメン」を提供していたラーメン店・日本橋「ビーハイブ ゲンキノモト」や、千葉県の人気ラーメン店「Bee Hive(ビーハイブ)」(いずれも閉店)を営んでいた人物なのだ。
しかし、なぜラーメン“カフェ”なのか。斉藤さんいわく、「カフェがやりたかったから」らしい。カフェメニューを見てみると、コーヒーや紅茶と合わせて「かき氷」が用意されていた。せっかくなので先日完成したばかりだという「ラムレーズン」(800円)をいただいた。
透明な器にこんもりと盛り付けられたかき氷は、専門店で提供されていてもおかしくない完成度。ふわふわで、口に入れるとすっと溶けていく。シロップのラムレーズンは自家製で、GI 値の低いアガベシロップを使うなど、さまざまな工夫が施されているそうだ。
カフェタイムにはこのほか、「まぜソバ」や「ピッツァ」といった食事メニューも楽しめる。ただし、温かいラーメンはランチとディナー限定なので、気をつけて。
そしてもうひとつ、ラーメンカフェとともに看板に書かれていた“美容”とは何なのか。たずねてみると、その理由は入り口近くの扉に隠されていた。なんと、エステルームが設置されているのだ。
カウンター内でラーメンを作っている店主の鈴木瑞穂さんは、斎藤さんのもとで修行する前には美容の世界にいたのだそう。BumBun BLau Cafe では、鈴木さんはランチタイムが終わるとエステティシャンとなるのだ。
体想いの“ラーメンカフェ”で本格“エステ”。体の中も外もキレイになれそうな、これまでにない組み合わせだ。
なおディナータイムには、ワールドビールやワイン、日本酒とともに、ラーメンを楽しめる。昼間とはまた違った顔が楽しめそうだ。
店舗所在地は、東京都品川区旗の台3-12-3 JBOX ビル2階。営業時間は、11時~14時がランチタイム、14時~17時がカフェタイム、17時~21時(ラストオーダー)がディナータイム。エステは14時~20時、完全予約制。水曜定休。
夏本番はもうすぐそこ。ひとまず、夏限定の「青いラーメン」を食べて涼んでみてはいかがだろう。