
焼鳥といえば、(筆者も大好きな)赤ちょうちんのさがった居酒屋で、もくもくしながらビールや焼酎と一緒にいただくイメージですが、ワインと一緒に食べる焼鳥っていったいどんなの?気になったので、お店に行ってみました!

アントニオ デル ポライオーロは、品川駅の港南口を出て3分ほどのところ、「新富士ビル」の8階にあります。飲食店がひしめく場所なので看板を見落とさないで!
エレベーターを降りるとすぐ店内で、広い窓から品川の街が見下ろせる素敵カウンターが目の前に現れます。オッシャレー!こんなお店を「行きつけなの」って言える OL になりたい。


さて、本日筆者は5,000円の「シェフのおすすめコース」をオーダーしました。前菜からメインまで全6種類のお料理と、スープを除くそれぞれに相性の良いワインが付いてくるものです。お店(プロフェッショナル)がセレクトしたワインがお料理ごとに提供されるので、ワインにあまり詳しくない筆者でも肩の力を抜いて食事を楽しむことができそう。

◆Stuzzichino ~小さな前菜~
まず運ばれて来たのは“小さな前菜”、白レバーのパテ 3種の柑橘風味です。そしてワインには、スッキリと飲めるスパークリングワイン!

パテの食感は、まるでプリン!口に入れた瞬間とろっと溶けます...こんな滑らかな舌ざわりのレバーは初めて!爽やかな酸味のオレンジ、グレープフルーツと塩コショウがしっかり効いて、濃厚なレバーの味わいを引き締めています。くさみもまったくありません!

スタッフさんによると、レバー料理にワインを合わせるのは難しいのだそう。普通はくさみを取るために「赤」を合わせるそうですが、ここではサッパリとスパークリングワインでいただくスタイル。こってりした脂っぽさも、さらりと流してくれます。これ正解!

◆Antipasto ~前菜~
続いて“前菜”、本日の焼鳥盛り合せと江戸野菜のバーニャカウダーが、アランチョ社の白ワインとともに運ばれてきました。
アランチョ社の白ワインは、華やかで香り豊か、どんな料理にも合う“万能”ワイン。みずみずしくて、香りはやや辛口。お料理に負けず、しっかりと味を引き立ててくれます。

焼鳥は左から、ぷりっぷりの軍鶏もも肉、しゃきしゃきの砂肝、ふわふわのぼんじり、コリコリのはつ、脂身がまろやかなせせり(首の肉)、そして、筆者は今回初めて食べるきんかん(卵巣)と、濃厚な白レバー。

どのお肉も適度に脂がのっていて、噛むほどに旨みがじゅわーっとあふれ出てきます。中でも特筆したいのは、今回初めて口にしたきんかん。ゆでたまごの黄身くらいの大きさで、味も濃厚で黄身と似ています!

それぞれマスタード、天然塩、七味、モスタルダ(フルーツとマスタードを合わせたジャム)を自由にトッピングして良いそう。ちなみに七味はレバー、砂肝、はつと、ジャムはもも肉やせせりとよく合います。

一方、江戸野菜のバーニャカウダーにはコカブ、きゅうり、ごぼう、小松菜が盛り合わされています。それぞれの野菜がしゃきしゃき!特にごぼうは想像以上の歯ごたえのよさなので、ぜひ味わってみてほしい一品です。

◆Brodo di pollo ~スープ~
ここでいったん小休止。本日のスープが運ばれてきました。鶏肉から煮出したダシに、しいたけとクリームを合わせて仕上げられたものです。

ポルチーニスープのような、芳醇なきのこの香り。とても濃厚な味ですが、決してしつこくなくスッとのどを通っていきます。後口にふわっと残るしいたけの香りが上品!
◆Carne ~肉~
いよいよコースも後半戦!運ばれて来たのは、“名物”鶏刺し エシャロットソースのマリネです。つまり“鶏むね肉のお刺身”ですね!スライスした羊のチーズ、ペコリーノ・ロマーノと水菜がトッピングされています。

鶏刺しでチーズと水菜をくるっと巻いて食べるともう最高!程よく弾力のあるお肉は味が淡泊なので、塩気の強いチーズとよく合います。バルサミコを煮詰めた甘酸っぱいソースと黒コショウが、全体の味をぐっと引き締めます。
このお料理に合わせて注がれたワインは、サンジョヴェーゼ種で作られた「赤」。渋みがなく酸味も強すぎず、軽やかな味わいです。

◆Secondo Piatto ~メインディッシュ~
さあ、ついにメインディッシュの登場です!鶏モツのカチャトーラ風煮込み。カチャトーラというのは「猟師風」という意味だそうです。先ほど食べたキンカンと、京都産の唐辛子とともに提供されます。

鶏モツはもったりとレバーのような濃厚な味ですが、臭みはありません。しっかりとした食感がありますが、噛むごとにほろほろっと肉の繊維がほどけ、旨みが広がります!これ、確実にワインと合うな...。

鶏モツから見初められたワインは、シチリア産のシラー種を使った「赤」。重めの辛口ワインで、しっかりとした果実味があるほか、香りや味にスパイシーな酸味が感じられます。モツと相性抜群なのは、言わずもがな。

◆Pasta ~パスタ~
ああ悲しいかな、最後のお料理となりました。贅沢な焼鳥コースを締めくくるのは、トマトとハーブのカペリーニです。

トマトがまるでフルーツみたいに甘い!酸味がほぼないので、トマトの青っぽさや酸味が苦手な人でもこれなら美味しく食べられそう。トッピングのハーブも爽やかで、お口の中がさっぱりします。
すべてのお料理を最後にすっきりと胃袋に流し込んでくれるのは、ほのかに甘いスパークリングワイン。今度はキリッと冷やされたロゼです。爽やかな甘さなので、パスタのお供としても、デザートワインとしても楽しめます。

お店の名前を覚えるのがちょっと難しいのですが、ぜひ「品川のアントニオ」と覚えてください(勝手に)。1度行ったら、美味しいお料理やワイン、気さくなスタッフさんたちのホスピタリティーに、心と胃袋をわしづかみにされること間違いなしですよ!

店舗所在地は、東京都港区港南2-2-2 新富士ビル 8F。営業時間は17時~翌0時(ラストオーダー23時30分)です。