
米国のスーパーマーケット Whole Foods Market は、「もしもミツバチをはじめとする大切な“花粉媒介者”たちがいなくなったら、店の陳列棚はいったいどうなってしまうのか」を如実に表現した写真を公開した。米国メディア Huffington Post が伝えている。
同メディアによると、くだんの写真は、ミツバチやチョウなど花粉を媒介する昆虫がいなくなってしまった場合、影響を受けると考えられる商品をすべて店の棚から取り除いて撮影されたそう。
野菜売り場の写真を見てみると、確かにそこにあるはずのリンゴやたまねぎ、アボカドといった食材がこつ然と姿を消してしまっている!場末(ばすえ)のスーパーの閉店間際だって、こんなにスカスカになることはないだろう。


写真はもう1枚ある。バターやチーズ、ヨーグルトといった乳製品コーナーを写したものだ。商品がぎっしりと詰まっているはずの棚からは半分以上の商品が取り除かれ、まるで大半の歯が欠けてしまった人間の顔のような何とも言えない悲しさに満ちている。


Whole Foods Market によると、米国内のミツバチの数は殺虫剤や住みかの減少など複合的な要因によって年々減っており、ベリー類やメロン、アボカドといったおなじみの食材を含む100種以上の作物に影響を与える可能性があるそう。
ミツバチの減少を防ぐために、草花の植栽やミツバチが巣を掘る土壌を確保してやるほか、オーガニック食品を買うことが解決につながる、と同社は呼びかけている。Whole Foods 社の役員 Errol Schweizer 氏は、同メディアに対し次のように述べているそうだ。
「私は、解決策がさほどややこしいとは思わない。オーガニック農家は天然の飼料をミツバチに提供している。ミツバチも、食べなければ生きていけないのだ」

実践することで今すぐどうこうなるものではないが、食物連鎖を崩壊させないよう努めることが、今後長い目で見れば解決の糸口になるのかもしれない。
※画像の出典は Whole Foods Market