そんな休出に疲れた F さんの心を癒してくれるのは、意外にも吉野家。Apple 本社からわずか1.4マイル(約2.25キロメートル)しか離れておらず、自動車なら5分足らずで到着可能。空腹を手軽に満たすのにぴったりなのだとか。

でも、そんな米国吉野家にも、いまでは1つだけちょっとした問題点があるのだそう。問題点って、何?気になる…。
「気になるなら、Apple まで来てみれば?」という F さんの誘いに乗り、土曜日の朝から Cupertino まででかけてきました。米国吉野家の牛丼、富豪の食べ物になってました。

■本当に、本社から車で5分!
土曜日の朝10時というのに、そこそこ駐車スペースが埋まっている Apple 本社の駐車場で F さんと待ち合わせ。そこから、F さんの車で吉野家に向かいます。吉野家には、本当に5分かからず到着しました。

ほんとに近いのがわかります(出典:Google マップ)
米国吉野家の仕組みは、米国のファストフードそのもの。窓口で注文し、サーブされた牛丼を自分で好きな席に運んで食べ、食べ終わったら自分で片づけるシステムです。


店内には日本ではお馴染みのカウンター席などは一切なく、4人掛けのテーブルが6つ、2人掛けが6つ設置されています。店内には花も飾られ、日本とはまったく異なった雰囲気。

吉野家の由来を示す絵が壁に掛けられているのが、唯一、日本の吉野家との接点を感じさせてくれるものと言えるでしょう。

では、注文。牛丼の並と味噌汁をオーダーしました。並盛りのカロリーは730 Cal だそうです。

■ F さんの言う、米国吉野家の問題点がわかりました
かつて米国の吉野家といえば、お肉が好きなラティーノの方たちの憩いの場という雰囲気がありました。吉野家の牛丼は値段が安く、甘辛い味付けがラティーノの人たちの口にあったためです。でも、現在では状況は違っているようです。その理由は、価格にありました。
牛丼並盛りの価格は4ドル79セント。味噌汁の価格は1ドル79セント。これに税金(9%)を足せば、なんと7ドル15セント(約728円)です。日本で同じものを注文すると、その価格は360円。吉野家 Cupertino 店の牛丼の値段は、日本のちょうど倍なのです。恐るべし、シリコンバレー価格。

F さんは、次のように述べました。
「これは、富豪の食べ物だからね。僕は Apple で良い給料もらってるから、全然平気だよ」
いやいやいやいや。700円ごときで富豪ぶってもらっても、ちゃんちゃらおかしくてへそで茶を沸かしてしまいますが、それはそれとしてこの価格は驚きです。
ちなみに米国吉野家の牛丼の味は、日本のものとほぼ一緒。味噌汁はネギ多すぎで、しいたけも多すぎですが、概ね同じ味です。最近の日本の吉野家は、ちょっと味が落ちているので、昔のおいしかったころの吉野家と同じ味、というのが一番近い表現かもしれません。


なので、たとえ倍の値段を払っても、昔の吉野家の味をもう一度味わいたい!という向きには、吉野家 Cupertino 店はぴったりかもしれません。日本の吉野家の値段に、飛行機代と360円をプラスするだけで、手軽に体験できますよ!
■ Apple 製品(の一部)は、吉野家の牛丼でできていた
さて、Cupertino に久々に出かけ、F さんたちが牛丼を食べながら休出して頑張ってくれているおかげで、僕たちが Apple 製品を使えていることを再認識できました。もし、あなたが iPhone 利用者であれば、iPhone を使うたびに、ちょっとだけ F さんたちエンジニアや QA の人たちのことを思いだしてあげてください。
その iPhone (の一部)は、エンジニアが休日出勤で流した汗と涙と、そして吉野家の牛丼(並盛)でできているのです。
■では、Google に一番近い日本食レストランは?
Apple のライバルといえば、Google。Google本社に一番近い和食はどこでしょうか?これは異論もあるかもしれませんが、たぶん「Happi House(はっぴハウス)」でしょう(違ったらごめんなさい)。

こちらの価格は、照り焼きチキン定食が7ドル79セント。飲み物が1ドル99セント。これに税金を足して10ドル64セント(約1,085円)でした。「はっぴハウス」 の価格も、以前に比べて随分あがっています。

未確認ですが、もしかしたら、Google 社員はここで日本食を食べているかもしれません(違ったら、ほんとごめんなさい)。
筆者が Google 本社を訪れたのは、土曜日の夜8時半ごろでした。でも、ビル内にはまだ働いている方がいらっしゃいました。やはり未確認ですが、Google 社員が「はっぴハウス」で照り焼きセットを食べながら休出して頑張ってくれているおかげで、僕たちが Google 製品を使えているのかもしれません。
もし、あなたが Android スマートフォン利用者であれば、スマートフォンを使うたびに、ちょっとだけそのことを思いだしてあげてください。
その Android スマートフォン (の一部)は、エンジニアが休日出勤で…(以下略)。
