うっかりトーストをテーブルから落としてしまったとき、トーストはバターを塗った面を下に向けて床に着地することが多い。これは、おろしたての白いシャツを着ている日に限って、昼食にカレーうどんがでてくるのと同じくらい悲しい出来事だ。

バター面が上を向いていれば、パンを救うことは簡単だ。ほこりを払えば、まぁ、食べても大丈夫そうな気がする。だが、バター面が下を向いていた場合、さすがに食べる気にはならないし、床の掃除も面倒なことになる。



なぜ、トーストはバターを塗った面を下にして落ちていくのだろう?この長年の疑問を英国の科学者が解明した。英国メディア Daily Mail が伝えている。

同メディアによれば、トーストがバターを塗った面を下にして落ちていく原因は、テーブルの高さにあったという。高さ76センチ程度のテーブルから落下した場合、トーストは床に着地するまでに、ちょうど180度回転する時間を与えられるそうだ。

通常、トーストはバターを塗った面を上にしてテーブルに置かれている。このため、トーストは180度回転した結果、バター面を下に向けて着地することになる。これがこの悲しい出来事が発生するメカニズムだ。

このメカニズムを発見したのは、英国マンチェスター・メトロポリタン大学教授の Chris Smith 博士。Smith 博士とそのチームは、100枚のトーストをテーブルから落下させる実験を行い、トーストがバター面を下に向けて着地する確率が81%であることを突きとめた。Smith 博士はこの研究結果を次のように述べている。

「我々の研究により、『Sod’s Law(ソッドの法則)』は、トーストが落ちるときに限れば、正しかったことが証明された」

だが、メカニズムが解明されただけでは、トーストが台無しになるという悲劇を止めることはできない。バター面を上にして着地させる方法は無いのだろうか?Smith 博士は、解決策を語る。

「バター面を上にして落下させたいなら、高さが8フィート(約2.4 メートル)のテーブルを買うことだ。この高さがあれば、トーストは着地するまでに、360度回転する時間を与えられ、バター面を上に向けた状態で床に着地する」

Smith 博士はその他、トーストを空気抵抗を受けやすい形状に変形させておくという方法も提案している。変形させることで、テーブルの高さが不足している場合でも、着地までに360度回転する時間を得られる確率が高まるそうだ。