静岡の一部の小学校には、蛇口をひねると冷茶がでてくる「お茶蛇口」がある。また、松山空港には、ポンジュースが飲める「ポンジュース蛇口」がある。

蛇口からポンジュース!
蛇口からポンジュース!

そして、オーストラリアで9月7日に実施される上院選には、「水飲み場にコーラを党」が名乗りをあげている。


「水飲み場にコーラを党」の Web サイト
「水飲み場にコーラを党」の Web サイト

この党が政権を取れば、オーストラリアでは、蛇口からコーラが飲めるようになるのだろうか?「コーラ風呂に入りたい!」という夢(?)が、誰にでも手軽に実現可能なものになるのだろうか?
「水飲み場にコーラを党」は、コーラ風呂の夢を実現するのか?
「水飲み場にコーラを党」は、コーラ風呂の夢を実現するのか?

だが、この党の目指すものは、実際に蛇口からコーラがでるようにすることではないそうだ。

「水飲み場でコーラを党」という政党名は、「できもしないこと」を公約にしたり、「実現できたところで、無意味なこと」に貴重な時間を使って議論を続けたりしている、現在のオーストラリア政治に対する皮肉を込めたものだという。同党の Web サイトには次の説明がある。

「我々は、若いオーストラリア人のグループ。オーストラリアの将来を憂慮しており、政治の理不尽さに不満を抱いている。

≪中略≫

我々は、この国の政治には、オーストラリアが直面している多くの難題を解決するための、理知的な議論が欠けていると考えている。問題とは、世界経済の後退や地球温暖化に対応して我々の経済と社会を作り変えていく必要性や、高齢化社会に対応した公的支出の増加などだ。これらの問題の解決に向けた議論を前進させるため、我々は、自分たちの代表を上院に送り込みたいと考えている」

「水飲み場にコーラを党」の党員たち
「水飲み場にコーラを党」の党員たち

どうやら、「水飲み場でコーラを党」は、至って真面目にオーストラリアの未来を考えているグループのようだ。

同政党のメンバーは、オーストラリア人は政権が「労働党」と「自由党」の間を行き来するだけの2大政党制にうんざりしていると述べる。だがここに、「水飲み場にコーラを党」のような第三勢力が加わることで、政治を変えることができると主張している。

この主張が正しいのかどうかはわからない。だがオーストラリア人が2大政党制にうんざりしているのは事実のようだ。それを反映してか、今回の上院選では過去最多の54党が名乗りをあげている。

54党の中には、一風変わったものもある。例えば、オーストラリアには禁漁区が多すぎるので自由に魚釣りができる場所を増やすべきだとする「釣りとライフスタイルの党」、プライバシーの保護を訴える「海賊党」、喫煙者の権利を主張する「喫煙者の権利党」などだ。「喫煙者の権利党」は、喫煙者は非喫煙者より早く死ぬので、喫煙者を増加させることで、公費による医療費負担を削減できるという、過激な主張を行っている。

「釣りとライフスタイル党」のメンバーの1人
「釣りとライフスタイル党」のメンバーの1人


「海賊党」によるデモの様子
「海賊党」によるデモの様子