・・・またしても凝りすぎてしまいました。そして、この作業のために机の上は文房具だらけに。うん、でも、幸せ。“いつもこだわりの文房具に囲まれていたい”、そういう人って実は周りに結構潜んでいるはず。そう思いませんか?

そんな筆者のような人がぞろぞろ集まるカフェがあると聞いて、普段はほとんど縁のないオシャレタウン、表参道までやってきました。
■文房具仲間を求め、表参道「文房具カフェ」へ

東京メトロ表参道駅から徒歩5分程度。表参道ヒルズの近くに位置するのが「文房具カフェ」です。セレブなイメージの強い表参道で、なんだかほっとする看板が目印。さあ、地下へと続く階段を降りてみましょう。

■文房具カフェは、 “使いたい”欲も満たしてくれるカフェ
それにしても、「文房具カフェ」とはなかなか大胆なネーミング。名前だけ聞いて、「単にカフェで文具を売ってるだけでしょ?」なんて思っていると火傷しちゃいますよ。

文房具カフェは、“文房具を愛する人や文房具で何かを生み出す人たちが集まるカフェ”。こちらでは、文房具の販売はもちろん、実際に触れて使えるものも豊富に揃っています。つまり、お茶を飲みながらちょっと手紙を書いたり、仕事のメモをまとめたり、が自由に出来ちゃうのです。また、文房具関連の書籍も豊富。いつもより良いアイデアが浮かんじゃうかもしれません?!




さらに、会費700円を支払うと、「文房具カフェ オフィシャル会員」になれます。カフェの机には施錠された引き出しが付いていて、会員には専用の鍵が渡され、中の文房具が使いたい放題になるそうです!ヒミツの引き出しを開ける優越感、たまらんですね。ちなみに中身は引き出しごとに異なり、頻繁に変わるみたいですよ。

■地下の秘密クラブ的な会員限定イベントを取材
さて、訪れたこの日(7月29日)は、文房具メーカーヒサゴとの協賛による会員限定のイベントが開催されていました。カフェではこうした会員限定イベントのほか、誰でも参加可能な会合も定期的に行われているようです。
夜19時半、店内半分のイベントスペースに、25名ほどの人々が集まりました。
イベントは、ヒサゴが7月に販売開始した新商品「TOUCH PEN CHARM」について、店頭販売用の POP を作るというもの。こちらはスマートフォン用のタッチペンで、同社の女性社員が開発したというアクセサリーのような可愛らしいデザインと、ソフトで感度の高い使い勝手の良さが特徴です。

参加者は4、5人のグループに分かれ、各班ごとに同商品の販売場所とターゲットを考えて POP を作成します。イベント中はドリンクとごはんも楽しめて、大人の工作教室といった雰囲気です。


ですが、みなさん POP 製作にあまりに夢中になり過ぎて、お料理には目もくれず、取り組む姿は真剣そのもの。画材と色とりどりの紙、ヒサゴの「いろラベル」シールまでわんさか提供されて、かつ使い放題とあっては仕方ないかも。机の上はもうお皿を置くスペースもありません!

かくいう筆者も、「ピグマ」のペンや大ヒットハサミ「フィットカットカーブ」の切れ味、「FABER- CASTELL」 のカラーペンまで試し放題、という夢のような状況に、我を忘れ夢中で POP を製作。ネイルを施した指でもスマホが使いやすいタッチペンということで、ネイルサロンでの販売を想定して作ってみました。

この日の優勝チームが作ったのは、売り場で可愛く目立ちそうな 3D の POP。紙で作られたバラのアイデアと手先の器用さは、さすが、の一言。そのほか、どれも会員さんの愛が溢れた作品でメーカーのみなさんからも大絶賛でした。

■舌も満足のごはんとドリンク
ワークショップも落ち着いたところで、ゆっくりカフェごはんを堪能。この日はビュッフェスタイルでサラダやソーセージ、リゾットなどが振舞われました。かぼちゃの食感がアクセントになった濃厚なリゾット、ハーブの効いたソーセージ、ローズマリーと和えたフライドポテトなど、プロならではのひと工夫がされた料理はどれも美味しくて、発見だらけ。さすが表参道にあるだけあり、文房具好きならずともグルメの舌を満足させること間違いなしです。


しかし、イベント中のみなさんの会話がおもしろい。愛用の万年筆の話に花を咲かせたり、メーカーの人に商品のリクエストをしたり、余ったシールやボール紙を配分したり・・・とにかくみなさん、文房具を愛する心と、クリエイティブな才能に溢れているのがひしひしと伝わってきます。何より、文房具に対するテンションの上がりどころがみなさん同じで、マニアックなこだわりを語っても引かれず受け入れてもらえるこの空気感。まるで童心に返ったようにはしゃいでしまいました。
■文房具は立派な「趣味」であり、創造のツールです
もちろんアイテムによりますが、ちょっとの投資でいろいろ試せるのが文房具のいいところ。ましてや、「これぞ自分が求めていたデザイン!」というものに出会った時に得られる幸福感は、投資以上にスバラシイと私は思います。特にここ数年の日本の文房具は、目覚しい進化を遂げていて、かゆい所に手が届く商品も次々と開発されていますよね。
一方で、昔から変わらず愛されているロングライフデザインも魅力。店内では現在、オレンジキャップでおなじみ「アラビックヤマト」のり専用レザーケース(!)の展示も見ることができます(※8月25日までの期間限定)。

語り出すと本当にキリがないのですが、文房具に関しては“百聞は1回の使用にしかず”(?)。デジタル化された現代にどっぷり浸かっている方、この夏の暑中見舞いでもしたために訪れてみてはいかがでしょうか?
