米国メディア Huffington Post は、7月14日付けの記事「Dining Etiquette From Around The World(英文)」で、世界のテーブルマナーを紹介している。ここでは、その一部を紹介したい。
1. 食事を音を立ててすする
これは、日本における食事のマナーを紹介したもの。興味深いので、このセクションに関しては、Huffington Post の記事を全文引用させていただく。
「日本では、麺類やスープを食べるとき、それらを音を立ててすすることが、食事を用意してくれた調理人への感謝を示すものになる。音は大きければ大きいほどよい!
スープを飲むときには、器に口を直接付けてかまわない。スプーンを使うことは一般的ではない。
食事中、箸は交差させてはならない。箸先を舐めてもいけない。ご飯茶碗に箸を垂直に刺してもいけない。これらは、日本や、中国を含むアジア諸国では大変失礼な行為と考えられている」
「音は大きければ大きいほどよい」というくだりには若干の疑問も残るものの、この記述は概ね正しいと言えるのではないだろうか?
なお Huffington Post では以前、世界の飲酒マナーを紹介していたが、その中で日本独自の飲酒文化を次のように紹介していた
「日本では自分のグラスに自分でお酒を注いではいけない。隣の人のグラスにお酒を注ぎ、その人からの返杯を待とう」
2. 右手しか使わない
インドでは、左手は「不浄の手」とされていて、食事のときは右手だけを使わなければならないと言われている。Huffington Post の記事もそのように伝えているが、筆者の経験では、このマナーは変化しつつあるように見える。
2004年にインドのバンガロールを訪れた際、現地のインド人が、マクドナルドのハンバーガーを両手で掴んで食べている姿を筆者は目撃している。右手にハンバーガー、左手にフライドポテトを持つ人も多く見かけた。ピザやサンドイッチを食べるときもほぼ同様だった。
ただ、筆者が滞在したバンガロールは、「インドのシリコンバレー」と呼ばれている地域。他の地域では、状況は異なっているのかもしれない。
3. 割り勘禁止
フランスでは、割り勘は、野暮な行為とみなされるそうだ。
4. パンはフォークやスプーンに近い存在
これもやはりフランスの文化。フランスでは、両手に何かを持って食事をするものとされているという。"何か"とは、「フォークとナイフ」か「フォークとパン」。フランス人はパンを、フォークに食事を載せる道具として使用する。フランスのレストランでパンが最初に出されるのは、これが理由なのだそうだ。
パンは、フォークやナイフに近い存在なので、"使用しないとき"には皿の上ではなく、テーブルやテーブルクロスの上に置くのがマナーだという。
5. 手で食べる
メキシコでは、ナイフとフォークを使って食事をするのは、お高くとまった、鼻持ちならない行為と考えられているという。
6. 手では食べない
チリでは食べ物を直接手で触れるのは、無作法な行為だと考えられている。このため、チリ人はたとえフライドポテトであっても、ナイフとフォークで食べるという。
ブラジルも同じで、ピザやハンバーガーを食べるときでさえも、ナイフとフォークを使うそうだ。
7. チーズを頼んではいけない
イタリアでは、特別な事情がない限りは、チーズをもっとかけて欲しいと頼んではいけないという。特に、ピザに対してチーズの増量を求めることは、罪深い行為と考えられているそうだ。
また、イタリアでは間違っても、"ケチャップ"を頼んではいけない。
筆者は以前、イタリアでオムレツを食べているとき、店員にケチャップをお願いして、露骨に嫌な顔をされたことがある。
その店員さんによれば、イタリア人の多くはケチャップを"米国の下品な調味料"と考えており、味にこだわりを持つレストランでケチャップを頼むのは、調理人に対する侮辱にあたるのだという。
8. 塩と胡椒を頼まない
ポルトガルでは、塩と胡椒はテーブル上に置かれていない。だが、塩胡椒を頼んではいけない。それは、調理人の味付けに対して不満を表明することになる。
9. フォークを使って食べない
タイでは、フォークは食べ物をスプーンに載せる道具として使われる。また、タイでは箸はあまり使われない。彼らは、箸を格好悪いものと考えているという。
10. 食事中、膝の上に手をおかない
ロシアでは、食事中、手はテーブル上に置くべきであると考えられている。膝の上に置いてはいけない。また、通常とは逆に、フォークをテーブルの右側に、ナイフを左側に置く。
その他のマナーについては、Huffington Post の英文記事「Dining Etiquette From Around The World」を参照されたい。