
戦前まで、南九州の農家の軒先で普通に、ありふれて栽培されていたものですが、最近ではほとんど見かけなくなりました。もちろん果物屋やスーパーの店先にも並んだことはありません(多分)。果物の憧れの舞台である「千疋屋」にも、一度でいいからデビューしたいと思っていたのですが、それも果たさないまま、絶滅しつつあるという、珍しいみかんです。
お味はどうでしょうか。
皮は少し硬いので、ナイフで切れ目を入れて剥いて食べます。皮が黄色いので酸っぱいのではないか、と思われるのですが、甘くもなく、酸っぱくもなく、どちらかというと、あの高級柑橘類の「日向夏」に似た、さっぱりした味わいです。

食後にデザートとしていただくと、口に残った油や肉の重たい感じを消してくれそうです。
みなさまも、幸運にも「川畑みかん」を食す機会がありましたら、躊躇せず、お召し上がりください。