高価なチーズといえば、イタリア産やフランス産のものがまず頭に浮かぶだろう。だが世界一高価なチーズはそれらの国々ではなく、セルビアの Zasavica 自然保護区内の牧場で製造されたもの。そして、その原材料には牛乳ではなく「ロバ」のミルクが使用されている。

セルビア Zasavica 自然保護区で飼育されているロバ
セルビア Zasavica 自然保護区で飼育されているロバ

ロバのミルクは栄養価が高く、牛乳の約60倍のビタミン C を含んでいるという。だが1頭のロバから搾乳できるミルクは、1日あたりわずか2デシリットル。このため、ロバのミルクは、欧州では1リットルあたり40ユーロ(日本円で約4,000円)という高い価格で販売されている。


ロバの搾乳風景
ロバの搾乳風景

ロバのチーズは、このロバのミルクから製造されたもの。1キロのチーズを製造するために25リットルものミルクが必要となるため、1キロあたり1,000ユーロ(約10万円)という世界一高価なチーズとなった。

ロバのミルクから作られたチーズ
ロバのミルクから作られたチーズ

製造されたロバのチーズは、英国やドイツを中心に輸出されているという。チーズは50グラム単位でパッケージ化され、欧州の高級スーパーで販売されているということだ。