主婦の友社「食品保存大全」

主婦の友社から、常備食材166種類の食材保存方法をまとめた本「食品保存大全」が販売されています。管理栄養士の沼津りえさんが、1つひとつの食材を冷蔵・冷凍・常温など、さまざまな保存方法で試した結果、最もおいしく味わえる保存方法を紹介。A5判240ページで、価格は1,600円(税別)。

主婦の友社「食品保存大全」

自炊が増える今の時期。「買い物は3日に1度に」と言われ、食材をまとめて購入&買ったものが冷蔵庫にぎっしり!という方も多いのでは。せっかくならできるだけ長持ちさせて、最後まで美味しくムダなく使い切りたい食材の正しい保存方法が確認できます。


■ 食材が傷む要因
まずは食材が傷んでしまう7つの要因をチェック!

(1)水分
食材に含まれる水分が蒸発してしまいみずみずしさが失われる場合と、水分が多くなることで微生物が発生する場合があります。

(2)酸化
食材に含まれる酵素と、空気中の酸素が反応して起こる反応。野菜の切り口などが茶色くなるのがその例。

(3)日焼け
日光の当たる場所に食材を置くと、温度が上がって変質します。

(4)保存する温度がまちがっている
食材には、食材ごとに適した保存温度があります。温度が低すぎても「低温障害」を起こす場合があります。

(5)腐敗
有益な微生物や酵母が働くと「発酵食品」となりますが、腐敗はさまざまな微生物が増殖して変質し、有毒な成分を作ることもあります。

(6)熟成
野菜や果物は収穫後も成熟を続けますが、それを促すのは「エチレンガス」。りんごやアボカドなどはエチレンガスを多く放出しますが、その影響を受けやすい野菜もあります。

(7)害虫
乾物や米など、長期間保存するものは小さな虫がつくこともあります。未開封のものでも包装を食い破って入ることもあるので、長期保存には注意が必要。

■ 適切な保存方法を知ろう!
肉・魚をおいしく保存するカギは「ドリップ」。ドリップとは、肉や魚などを解凍したときに出る水分のこと。その汁には、うまみや栄養分が含まれています。水分を失った食材はやわらかくなりすぎたり、食感も変わったりしますし、残った水分が菌の繁殖を促すこともあります。つまり、このドリップが、肉や魚のおいしさを左右するカギなのです。

主婦の友社「食品保存大全」

肉類を冷蔵室で保存するなら、「ドリップ」を取り除いて、チルド室での保存がベスト!買ってきた肉類は、できるだけ早くチルド室やパーシャル室など、冷蔵庫の「低温度室」に入れるようにしましょう。肉から出たドリップをとり除いて、ラップなどでぴっちりと包んでから保存すると、より雑菌が繁殖しにくくなります。

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また、冷凍庫で保存するなら、トレーから出してラップにくるみ、ファスナーつき保存袋へ。トレーのまま冷凍してしまうと凍るのに時間がかかりますし、さらに解凍時にドリップが出やすくなります。

冷凍する際には必ずトレーから出し、ラップで包んでファスナーつき保存袋に入れて冷凍しましょう。また、アルミトレーの上などに置いてから冷凍すると、急速に冷凍できるのでおすすめです。なお、冷凍した肉を解凍する際は、低温でゆっくりと自然解凍するのがおすすめ。急速に解凍すると、ドリップとともにうまみが流れ出てしまうことがあります。

主婦の友社「食品保存大全」

野菜を冷蔵で保存するなら、基本は冷蔵庫の野菜室に。冷蔵に適した野菜の場合、基本的にはすべて野菜室で保存するのがベストです。水分が蒸発しないようにポリ袋に入れたり、ぬらしたペーパーでくるんだり、もともと縦に生えていた野菜は立てて保存するなどで、野菜の種類に合わせた一工夫で鮮度が落ちないようにしましょう。

主婦の友社「食品保存大全」

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さらに、すぐに食べない野菜は、冷凍保存するのがおすすめ。冷凍や解凍ムラを防いでおいしく食べるためには、「水分を取り除く」、「空気を抜く」、「食べやすい大きさに切って冷凍する」の3つのポイントを意識して。あらかじめ食べやすい大きさに切っておくと使うときに楽ですし、冷凍・解凍の際も温度ムラがなくスムーズです。

主婦の友社「食品保存大全」

その他にも、多くの家庭にある常備食材166種に適した保存方法を、1種類ずつ細かく紹介。一冊あると便利ですね。