ちまたで人気の妖怪「アマビエ」をお店でラテアートにしてもらって、飲んでみました。東京・原宿のラテアートカフェ「Reissu(リシュー)」で注文した一杯です。
アマビエとは、かつて海から現れたという人魚のようなキャラクター。江戸時代末に当時の読み物「瓦版(かわらばん)」が取り上げて注目を浴びました。時間とともに話題はやがて収まりましたが、160年が過ぎた今になって、ふとしたきっかけで再び大きく脚光が当たりました。
くだんの瓦版は、京都大学貴重資料デジタルアーカイブの「新聞文庫・絵」のコーナーで公開中です。挿絵の横に添えてある文章を読み解くと次の通り。
実に謎めいていますが、TwitterやInstagramではユーモラスな姿を絵やぬいぐるみにして投稿する人が次々と登場しています。それではと、今回はアマビエをラテアートにしてもらうことに。
原宿リシューへ
ラテアートを作ってもらう原宿リシューは、JR原宿駅または東京メトロ明治神宮駅からあるいて数分の場所にあります。ビルの2階ですが、階段の下に看板が出ていますのですぐわかります。
時間帯によっては満席で、すこし待つこともありますが、お店の中はくつろげる雰囲気です。
アマビエラテアート
ラテアートはいろいろな飲み物で注文できますので、キャラメルラテを選びました。値段は合計1,100円(税込)。
お店の人にお願いしてラテアートを作るところも拝見することに。お店にいるアーティストが巧みな手つきでアマビエの不思議な姿を泡の上に描いてゆきます。
髪の毛から鱗、くちばしや目まで、大昔に肥後国の役人が写しとったという妖怪の姿が細やかに再現されていくようすは、神々しささえ感じるほどです。
できあがったラテアートはテーブルに運ばれます。あらためてながめると、アマビエはとても面白い顔をしています。このどこか気の抜けた表情が人気の秘密かもしれません。
絵柄は簡単には崩れないので、まずはアマビエのはしっこをすくってぱくり。ふんわりやさしい口あたりとほのかな甘さ、キャラメルの香りとコーヒーの味が一つになって心地よく感じられます。
泡の下にあるラテもほっこりしたおいしさ。あとはカップに直接口をつけてごくごくとアマビエを飲みほしてゆきます。すっかり空になるころには、暗いニュースに負けない元気が湧いてきた、ような気がします。しかし、まさかアマビエも160年後にラテアートになって飲まれるとは、思ってもみなかったかもしれません。
住所:東京都渋谷区神宮前3-25-7