土用丑の日(どよううしのひ)は「う」のつく食べものをとるとよい、という縁起をかついで「ウツボ」を食べてきました。鉄分、たんぱく質たっぷりで栄養満点。ぶあついゼリー質の皮にふっくらした白身、食べごたえがあるのにくせのない味は「ウナギ」にもすこし似ています。
うつぼの藁たたき
ウツボは日本各地の郷土料理でごちそうとして人気の食材ですが、今回は土佐のお酒とご飯を出す「わらやき屋」で賞味することに。注文したメニューは「うつぼの藁(わら)たたき」、価格は1490円(税別、以下同じ)。1皿を2~3人でシェアするのにちょうどよいボリュームがあります。せっかくなので、お酒も一緒に頼みます。お店の人のおすすめで焼酎の「土佐藩」をソーダ割りにしてもらいました。価格は550円。
わらやき屋では、料理の前にまずお通し(500円)が出ます。色あざやかな野菜に、4種類のドレッシングいずれかをかけて食べる一品。ドレッシングはすべてカツオ入りで、フレーバーはそれぞれショウガ、ラー油、マヨネーズ、南蛮となっています。お店の人がすすめるショウガを選んでみます。凝縮された魚のうまみが歯ごたえのよい新鮮な野菜とよく合い、お酒が進む味で、ウツボが到着する前にグラスの一杯目が空いてしまいそう。
お通しをつまんでいると、厨房で赤い炎がいきおいよく上がるのが見えます。たばにした藁に火をつけて魚の表面をあぶり、香ばしいにおいをつける「藁焼き」を作っているよう。
しばらく待つと、料理が到着しました。薄切りにしたウツボの外側をあぶって、薬味に青い長ネギ、白いタマネギ、紫のミョウガを散らし、ポン酢をかけてあります。つややかな照りがいかにもおいしそう。
まず一箸とってみると、白身をぶあついゼリー質の皮がおおっているのがわかります。食べてみると、皮はプリプリしているのに、身はふっくら。ウツボというと外見はこわもてで、風味も強そうな印象がありましたが、意外にくせのない味です。
舌ざわりや歯ざわりは、「身のしまったウナギ」を思わせます。シャキシャキした薬味や、さっぱりしたポン酢との相性もよく、お酒を楽しむのにぴったり。